(横堀農業研修センター)
12月3日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会は、横堀農業研修センターで第6回総会(会員出席、委任状、書面決議など過半数を超え成立)を行った。
山口幸夫代表理事は、開会宣言し、議事を進行していった。
柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)からあいさつが行われた。
「三里塚大地共有運動の会から横堀農業研修センター裁判に向けたカンパ23万4000円ありがとうございます。1月29日、千葉地裁で第1回口頭弁論が行われる。裁判が始まるが、共に頑張っていこう。反対同盟は、成田空港問題シンポジウム(1991年11月)、成田空港問題円卓会議(1993年9月)を通して『地球的課題の実験村』を提案した。巨大開発を拒み、『腹八分目』の社会を作っていこうと呼びかけ、取り組んできた。だがあいかわらず巨大開発を押し進めようとしている。今の時代と逆行することをやっている。このような流れを許さないと現地から訴え続けていきたい」。
大森武徳理事は、1号議案(2022年11月~2023年10月の事業報告)、2号議案(決算、貸借対照表・損益計算書(正味財産増減計算書)の報告)を提案した。
中川憲一監事は、3号議案(監査報告)を提案した。
続いて大森理事は、4号議案「第6年度事業計画」、5号議案「第6事業年度予算案」を提案。
以下は、第6年度事業計画の骨子だ。
①24年からの登記義務化に対して、木の根共有地持ち分18%を達成し、法人への登記変更推進のための共有者への呼びかけ・変更手続きを継続する。登記変更カンパを呼びかける。
②空港会社による横堀農業研修センター破壊・土地強奪裁判に対決し、三里塚芝山連合空港反対同盟・共有者の裁判闘争を支援し、横堀農業研修センターを守り抜く運動に取り組む。
③共有地、第3滑走路計画などの三里塚現地調査に取り組む。
④反対同盟旗開き、東峰現地行動、ペンションイベントに協力する。
⑤三里塚大地共有運動を宣伝する。
繁山達郎事務局長から補足説明が行われ、とりわけ24年からの登記義務化に抗して登記変更に向けた取り組みを強化していくことを報告した。
第三滑走路建設の緊急性がない
質疑応答に入り、冒頭、横堀農業研修センター裁判に向けて清井礼司弁護士からのメッセージが紹介された。
清井弁護士の主張の骨子は、
「①第三滑走路の完成目途として2029年3月31日としている。空港会社は、96%が同意だと宣伝しているが、地権者との具体的な契約について明らかとなっていない。
②空港建設のための土砂の確保が未定、空港労働者・周辺住民に対する騒音・環境対策未定。
③成田空港は、国際旅客需要の拡散によって、貨物空港へと傾斜している。空港周辺の貨物倉庫が乱立していることに現れている。」などを浮彫りにした。
そのうえで「第三滑走路建設の緊急性がない。すなちわ第三滑走路建設とセットで横堀農業研修センターの撤去も必要がない」ことを明らかにした。
続いて平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)は、「三里塚の友人に聞いてみた。第三滑走路用地の地権者の買収の進捗は、なかなか進んでいないようだ。そもそも移転先は、自分で探せというのだ。友人の一人は、『同意書も書いていないし、売ってくれという話もない』と言っていた」と報告。
柳川さんは、「空港会社は、現状では協力してもらえないところは無理に押さない姿勢だ。横堀地区は横堀農業研修センターを撤去しても、横堀大鉄塔、案山子亭の存在によって第三滑走路周辺事業はうまくいかないだろう」と説明した。 議事は採決に入り、可決・承認された。
閉会挨拶が中川監事から行われ、「22年の取り組みを通して、新たな仲間たちと出会った。例えば、7月三里塚フィールドワークは、三里塚闘争を知らない世代が参加し、現地調査を通して闘いのリアリティーを実感し、感動していた。9月の代々木公園で行われた『「ワタシのミライ―No Nukes & No Fossil 再エネ100%と公正な社会をめざして」のイベントに一般社団法人三里塚大地共有運動の会のブースを出店し、横堀裁判や第三滑走路反対の宣伝をやりきった。これからもあらゆる機会を通して新たな世代にむけた三里塚闘争の宣伝をしていこう」と呼びかけた。
総会終了後、有志で加瀬勉さん(多古町)宅を訪問し、第6回総会を報告。
|
加瀬さん宅にて |
加瀬さんは、交流会で「空港会社による空港機能拡大、第3滑走路の騒音立退き区域では一部で移転が始まっている。村落共同体を破壊しつくそうとしている」ことを批判した。
参加者は、空港周辺の環境破壊、移転問題など厳しい現実をあらためて実感し、今後の闘いの方向性を深めていった。 最後は、庭にある梅の木をバックに加瀬さんとともに「団結写真」を撮った。(Y)