2024年2月3日土曜日

横堀農業研修センター裁判第1回口頭弁論傍聴行動報告

1月29日、横堀農業研修センター裁判第1回口頭弁論傍聴行動が行われた。

横堀農業研修センター裁判を支える会では開廷前、千葉県庁前で反対同盟旗と横断幕を広げて、裁判支援と傍聴を訴える宣伝活動を行った。

千葉地裁では所持品検査が行われ、601号法廷ある6階廊下で整理券配布、傍聴券への引換が行われ、40人弱が601号法廷に入った。
15時過ぎに開廷し、提出されている原告・成田空港会社の訴状と被告(三里塚反対同盟と共有者4人)の答弁書・証拠説明書について裁判官から確認。
被告席(傍聴席から右手)には清井礼司弁護士、被告の柳川秀夫さん、佐藤幸子さん。反対側に原告空港会社代理人。
被告の答弁書と柳川さんの陳述書を読み上げたとする手続きがとられ、裁判官から両者の主張についての「主張整理メモ」が出され、次回口頭弁論について確認し、裁判は終了。


閉廷後、裁判報告集会。

清井弁護士が裁判について説明。「裁判所が主張整理メモを出してきた。裁判所も図面がよく分からないと原告側に指摘していた。分からない点があれば強制執行はできない。できない余地が残る。」

柳川さんの陳述書の読み上げに続いて、清井弁護士は次回以降、柳川さん、平野靖識さん、田村明比古成田空港社長の3人を証人申請したことを報告。
平野さんは「この裁判はあらゆる強制的手段を取らないという約束に反している。自信を持って闘いましょう」

被告の佐藤さんは「ひょんなことから被告になって非常に光栄です。年齢は年齢だが、私なりに合宿所や三里塚にかけた思いを出していきたい。ご支援のほどをお願いします」
裁判についての質問と清井さんの説明の後、支える呼びかけ人から中川憲一さん、関西の渡辺充春さんが発言。
元連帯する会の柘植洋三さんは「合宿所をつくるとき、前田俊彦さん、吉川勇一さんが現地に行って、権利を主張できる場所はここだと決めた。労農合宿所の価値は党派に限定せず、誰でも受け入れたこと。合宿所がどこか単独の持ち物だったら、今日のように人々が集まることにはならなかった。運動体としての大事な価値」
田んぼくらぶから鈴村多賀志さんが発言。
最後に4月7日の裁判を支える東京集会(会場未定)、4月22日第2回口頭弁論傍聴への呼びかけが行われた。

2024年1月15日月曜日

報告:2024反対同盟旗開き

  三里塚芝山連合空港反対同盟 (代表世話人・柳川秀夫)は、1月7日、横堀農業研修センターで「2024反対同盟旗開き」を行い43人が参加した。

 成田国際空港会社は8月2日、横堀農業研修センターの建物を撤去し、土地を強奪するために三里塚反対同盟と共有者を千葉地裁に提訴した。反対同盟は、この不当な攻撃に対して「横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな!成田第3滑走路反対!」のスローガンを掲げ、裁判闘争を闘いぬく決意を明らかにしている。また、柳川秀夫さん、鎌田慧さんらの呼びかけで「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」を立ち上げ、裁判カンパ、賛同人などの取り組みを行っている。
 旗開きは、1月29日、横堀農業研修センター裁判第1回口頭弁論(千葉地方裁判所601号法廷/14時30分集合・開廷15時)および今後の裁判闘争に向けた意志一致の場となった。
 なお4日、成田国際空港会社(NAA)の仕事始め式で田村明比古社長は、空港機能強化の一環として「ワンターミナル構想」(現在3カ所に分かれている成田空港旅客ターミナルの集約化)をぶち上げたが、結局、なんら具体化に向けて進んでいないことを吐露せざるをえなかった。第3滑走路関連工事にしても準備工事として高谷川の排水整備工事(産経/12・6)を開始しているにすぎない。
 だから新型コロナ時の利用者激減から「回復傾向」にあると言うが、「暗くて長いトンネルから全身を脱出し、広くて明るい空間に手足を思いっきり伸ばして飛躍していかねばならない」と「決意」を言うしかないのだ。
 空港会社は、準備工事開始にあたって「周辺に住む方々への影響を考慮しながら、着実に工事を進めたい」(産経/12・6)と述べ、工事強行を押し進めていこうとしている。環境破壊・人権侵害に満ちた空港機能強化の野望を打ち砕いていこう。

柳川さんの発言

 山崎宏さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)の司会で旗開きが始まった。
 柳川さんは、「58年前、大事なものを守ろうと古村も開拓部落も立ち上がった。農村は封建的だったが、家族が暮らし続けるという大事なものが壊されようとしているのに対して立ち上がった。いまは村落共同体が崩壊し、価値観が壊された。見えなくなった守るものをもう1回作り直していくことが大きな課題だ。
 横堀農業研修センターを奪うための裁判が始まる。いま環境が生存を脅かし、作物に影響する時代。滑走路を大きくし、空港を巨大化するという考え方は絶対受け入れられない。これからも皆さんと一緒に闘っていきたい」と発言。
 大森武徳さん(東峰・らっきょう工場/一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は「木の根のイベントに来る人に三里塚の歴史を説明すると、補修に協力するという声が上がる。壁画作りも考えている。
 40~50年前、私の両親も支援として三里塚に駆けつけた。当時20~30代の活動家が、子どものために『子ども共和国』など一生懸命やってくれた。私たちが横堀、木の根の補修に取り組むことが縦のつながり、10、20年後に子どもの世代が土地を守ってくれることにつながればと取り組んでいる」と述べた。

加瀬さんのメッセージ

 加瀬勉さん(多古町)のメッセージ(要旨)が紹介された。
 「戦争が起こっている。ロシヤとウクライナ。イスラエルによってガザの人民が虐殺されて犠牲になっている。日本も戦争国家への社会体制を作りつつある。われわれはこれを阻止する歴史的責任がある。憲法改正、軍事予算の増税、沖縄の軍事基地強化、安全保障重要土地指定、空港・港湾軍事的利用インフラ整備、三里塚空港拡大強化に反対していこう。

 地球環境の破壊によって異常気象が発生している。温暖化、洪水、海洋国水没、干ばつ、砂漠化、森林火災が日常的に発生し、人類の平和的生存が脅かされている。世界的に食料生産が停滞、減少して食料を世界中から買い漁る時代は終わった。戦後自作農経営は完全に変質崩壊して、生産共同体の集落は過疎化し、限界集落化して食料生産の自給率は18%に下落した。
 主体的条件だが、革新勢力と言われ、平和勢力と言われた政治団体、労働団体が体制内化してこれらの条件に対応する能力がない。自民党が自壊作用を起こしているのに反撃打倒できない。
 支配、差別、搾取あるところに人民の闘い反抗あり。私は『星火燎原』を信じる。小さな火花もやがて荒野を焼きつくすであろう。今回の裁判闘争が日本の階級闘争の火花に、人民の希望の光になるか、新しい時代を切り開く魁になるか、われわれの主体的決意にかかっている」。

平野さんのメッセージ

 平野靖識さん(三里塚歴史考証/東峰らっきょう工場)のメッセージ(要旨)が紹介された。
 「ことしはいわゆる空港機能強化策がさまざまな壁にぶちあたり、矛盾点が明らかになる年だと思います。
 第1 立ち退きを迫られる第3滑走路敷地内200戸、騒音区域内1078戸のうち空港会社が公式に認めた契約者数は騒音区域の173戸(13・5%)。まだ多くの家々の移転先が決まらず、用地取得が進んでいません。これは移転先を空港会社が用意するのではなく、個々の責任で探さなくてはならないところからきています。
 第2 空港周辺住民から夜間飛行差し止めの騒音公害訴訟が起こされました。夜間飛行停止4時間が離発着50万回達成の前提ですから、この裁判は国と空港にとって脅威となります。
 第3 コロナ禍で削られた航空産業の人手不足が解消しません。成田空港の機能強化策では雇用の創出がうたわれますが、人口減少社会では雇用の創出は重要な意味を持ちません。
 第4 脱炭素の時代の要請の中で、高価なエコ燃料への需要が高まり、燃料高、総じて航空便数の低下・増加度の低減がすう勢です。
 第5、建設業者が集まらない、建設費用が膨張する、事業採算割れ、再検討も課題に。
 第6 2021年7月に静岡県熱海市伊豆山地区の土石・土砂搬入の用地造成には社会の眼が厳しくなっています。原発汚染土の混入などが取りざたされるようなことがあれば、周辺の人々の不安、怒りはさらに高まるでしょう。
 第7 第3滑走路との接続点に横堀農業研修センターがある。これがなかなか難敵、等々。私たちは、自分たちの闘いとして横堀農業研修センターを断固守り抜きましょう」。

 続いて、連帯アピールが渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会、三里塚相談会)、中川憲一さん(管制塔被告団/横堀農業研修センター裁判を支える会)、野島美香さん(横堀農業研修センター裁判を支える会)から行われた。
 繁山達郎事務局長(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は、「 所有者不明土地対策を口実に共有地を奪う『登記義務化法』の2024年相続登記義務化、2026年住所・氏名変更登記義務化が施行される。共有地を守り抜くための登記変更、カンパへの協力を引き続き呼びかけます」と呼びかけた。
 最後に芝崎真吾さん(連帯社)の団結ガンバローで闘うスクラムを打ち固めた。


1・7東峰現地行動

 旗開き終了後、1・7東峰現地行動(主催:三里塚空港に反対する連絡会 共催:三里塚大地共有運動の会/旧東峰共同出荷跡)が「第3滑走路建設反対!横堀農業研修センター破壊を許さない!」のスローガンを掲げ取り組まれた。
 開拓道路から成田空港滑走路に向けて抗議のシュプレヒコールを響かせた。

(Y)


2023年12月9日土曜日

報告:一般社団法人三里塚大地共有運動の会第6回総会



 (横堀農業研修センター)


 12月3日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会は、横堀農業研修センターで第6回総会(会員出席、委任状、書面決議など過半数を超え成立)を行った。

 山口幸夫代表理事は、開会宣言し、議事を進行していった。

 柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)からあいさつが行われた。
 「三里塚大地共有運動の会から横堀農業研修センター裁判に向けたカンパ23万4000円ありがとうございます。1月29日、千葉地裁で第1回口頭弁論が行われる。裁判が始まるが、共に頑張っていこう。反対同盟は、成田空港問題シンポジウム(1991年11月)、成田空港問題円卓会議(1993年9月)を通して『地球的課題の実験村』を提案した。巨大開発を拒み、『腹八分目』の社会を作っていこうと呼びかけ、取り組んできた。だがあいかわらず巨大開発を押し進めようとしている。今の時代と逆行することをやっている。このような流れを許さないと現地から訴え続けていきたい」。

 大森武徳理事は、1号議案(2022年11月~2023年10月の事業報告)、2号議案(決算、貸借対照表・損益計算書(正味財産増減計算書)の報告)を提案した。

 中川憲一監事は、3号議案(監査報告)を提案した。
 続いて大森理事は、4号議案「第6年度事業計画」、5号議案「第6事業年度予算案」を提案。
 以下は、第6年度事業計画の骨子だ。

①24年からの登記義務化に対して、木の根共有地持ち分18%を達成し、法人への登記変更推進のための共有者への呼びかけ・変更手続きを継続する。登記変更カンパを呼びかける。

②空港会社による横堀農業研修センター破壊・土地強奪裁判に対決し、三里塚芝山連合空港反対同盟・共有者の裁判闘争を支援し、横堀農業研修センターを守り抜く運動に取り組む。

③共有地、第3滑走路計画などの三里塚現地調査に取り組む。

④反対同盟旗開き、東峰現地行動、ペンションイベントに協力する。

⑤三里塚大地共有運動を宣伝する。

 繁山達郎事務局長から補足説明が行われ、とりわけ24年からの登記義務化に抗して登記変更に向けた取り組みを強化していくことを報告した。

第三滑走路建設の緊急性がない

 質疑応答に入り、冒頭、横堀農業研修センター裁判に向けて清井礼司弁護士からのメッセージが紹介された。
 清井弁護士の主張の骨子は、

「①第三滑走路の完成目途として2029年3月31日としている。空港会社は、96%が同意だと宣伝しているが、地権者との具体的な契約について明らかとなっていない。

②空港建設のための土砂の確保が未定、空港労働者・周辺住民に対する騒音・環境対策未定。

③成田空港は、国際旅客需要の拡散によって、貨物空港へと傾斜している。空港周辺の貨物倉庫が乱立していることに現れている。」などを浮彫りにした。

 そのうえで「第三滑走路建設の緊急性がない。すなちわ第三滑走路建設とセットで横堀農業研修センターの撤去も必要がない」ことを明らかにした。

 続いて平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)は、「三里塚の友人に聞いてみた。第三滑走路用地の地権者の買収の進捗は、なかなか進んでいないようだ。そもそも移転先は、自分で探せというのだ。友人の一人は、『同意書も書いていないし、売ってくれという話もない』と言っていた」と報告。

 柳川さんは、「空港会社は、現状では協力してもらえないところは無理に押さない姿勢だ。横堀地区は横堀農業研修センターを撤去しても、横堀大鉄塔、案山子亭の存在によって第三滑走路周辺事業はうまくいかないだろう」と説明した。 議事は採決に入り、可決・承認された。

 閉会挨拶が中川監事から行われ、「22年の取り組みを通して、新たな仲間たちと出会った。例えば、7月三里塚フィールドワークは、三里塚闘争を知らない世代が参加し、現地調査を通して闘いのリアリティーを実感し、感動していた。9月の代々木公園で行われた『「ワタシのミライ―No Nukes & No Fossil 再エネ100%と公正な社会をめざして」のイベントに一般社団法人三里塚大地共有運動の会のブースを出店し、横堀裁判や第三滑走路反対の宣伝をやりきった。これからもあらゆる機会を通して新たな世代にむけた三里塚闘争の宣伝をしていこう」と呼びかけた。

 総会終了後、有志で加瀬勉さん(多古町)宅を訪問し、第6回総会を報告。

加瀬さん宅にて
 加瀬さんは、交流会で「空港会社による空港機能拡大、第3滑走路の騒音立退き区域では一部で移転が始まっている。村落共同体を破壊しつくそうとしている」ことを批判した。
 参加者は、空港周辺の環境破壊、移転問題など厳しい現実をあらためて実感し、今後の闘いの方向性を深めていった。 最後は、庭にある梅の木をバックに加瀬さんとともに「団結写真」を撮った。(Y)
 




2023年12月5日火曜日

2024反対同盟旗開き

 主催:三里塚芝山連合空港反対同盟 (代表世話人・柳川秀夫)


日時:2024年1月7日(日)正午

場所:横堀農業研修センター
   (山武郡芝山町香山新田125-1  連絡先:03-3372-9401)
参加費:1000円



【会場への行き方】:京成東成田駅地上 11時00分集合 迎えの車待機
          /9:33発京成上野特急 京成本線 (普通)→ 10:42 着 京成成田
          →10:54発 京成成田 →乗り換え [ 芝山千代田行き ]
          → 11:00 着 東成田


 1.7東峰現地行動に結集しよう!
      横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな!

◦日時:1月7日(日)午後2時集合
◦場所:旧東峰共同出荷場(千葉県成田市東峰65)

会場への行き方
■24反対同盟旗開き後、参加する方は車で東峰へ移動
■行動に参加する方は、東成田駅地上1時40分集合 迎えの車待機
  12:20発 京成上野 京成本線快速特急京成成田行→13:15着 京成成田乗換
  京成東成田線 芝山千代田行 13:34発→13:40着 東成田


主催:三里塚空港に反対する連絡会
共催:三里塚大地共有運動の会
連絡先:東京都渋谷区初台1-50-4-103/03-3372-9401 FAX03-3372-9402


2024.1.7 東峰現地行動の呼びかけ
   
   第3滑走路建設反対!
      横堀農業研修センター破壊を許さない!

 成田国際空港会社は8月2日、横堀農業研修センターの建物を撤去し、土地を強奪するために三里塚反対同盟と共有者を千葉地裁に提訴した。空港会社は空港機能の拡大を図るために 第3(C)滑走路を完成させ、併せて空港ターミナルの施設の全面的配置変えを計画している。
 そのためにはどうしても3本の滑走路の結節点に存在する横堀の農業研修センターを撤去し、土地を確保しなければならないのだ。空港会社は提訴に先立って、「申入書」(6月15日付)を空港反対同盟・柳川秀夫代表世話人をはじめ4名の地権者に送りつけてきた。それは空港会社が過半数の共有持分権を有しているから、反対同盟は早急に建物を収去し、土地を明け渡せというものだった。 そして一か月以内にそれを行わないのなら、法的措置を行う、と一方的に通告するものだった。空港会社は自らが必要とするものは司法権力を使って手に入れるということである。
 政府―空港公団(当時)は成田空港を建設するにあたって農民の反対を国家権力機動隊の力を使って抑え込んで推し進めてきた。農民とそれに連帯する労働者、市民の闘いにより滑走路1本で開港せざるを得なかった。政府―公団はさらに建設を進めるために「それまでのやり方は誤りであった」と謝罪し、「これからは強権的な手段は使わないで、話し合いによる解決を図る」と確約した。
 しかしその後はすべて裁判によって反対運動の拠点を破壊し、土地を強奪してきたのだ。今回の横堀農業研修センターへの攻撃もその延長線上にある。裁判による土地強奪を許すな!

      民間空港・港湾の自衛隊使用を許すな!

 政府が、全国の民間空港・港湾を自衛隊が使用するために整備を進める「公共インフラ整備」計画がマスコミの報道で明らかとなった。自衛隊などが使いやすいよう延伸や拡張をする空港・港湾38が挙げられている。政府は自治体と協議し、平時から自衛隊や海上保安庁が訓練などで円滑に利用できるようにするとして、すでに自治体と水面下で協議をしている。浜田靖一前防衛相は空港・港湾の自衛隊使用の必要性について、成田空港と沖縄・宮古島の下地島空港の名をはじめて具体的に挙げて語っている。
 成田空港は1978年開港に際して、軍事使用はしないという確約を成田市と結んでいるが、軍事体制が強まる中、反故にされる可能性は大きい。 第3滑走路の建設は単に経済的な理由にとどまらず、軍事的な必要から大きな意味を持っている。自衛隊―米軍が自由に使用できる軍事的拠点として位置づけられている。周辺に建設・拡大されようとしている倉庫などの流通施設はすぐに兵站基地として使用されることになる。こうした軍事拠点としての空港機能拡大、第3滑走路建設に反対していこう!

 1・7東峰現地行動に結集し共に闘おう!

 11.29米軍オスプレイ墜落糾弾!政府は 直ちに全てのオスプレイの飛行を中止し、オスプレイを全面的に撤去せよ!
 ロシアはウクライナ侵略をやめ、直ちに撤退しろ! NATO・米国はウクライナから手を引け!
 イスラエルのパレスチナ人民大虐殺弾劾! 米帝のイスラエル支持―虐殺加担弾劾! G7のイスラエル支持弾劾! イスラエルの占領支配粉砕! 
 日本政府のイスラエルとの政治・軍事・経済関係強化をゆるすな! パレスチナ連帯の闘いを強化しよう!

三里塚空港に反対する連絡会 2023.12.3

24旗開き★24.1.7東峰現地行動ビラ(pdfに飛びます)


【表】24旗開き★24.1.7東峰現地行動

 














【裏】24旗開き★24.1.7東峰現地行動
 



2023年11月3日金曜日

12.3一般社団法人三里塚大地共有運動の会 第6回総会

  8月2日、成田国際空港会社は横堀農業研修センター(旧労農合宿所)の建物を撤去し土地を強奪する裁判を千葉地裁に提訴してきました。横堀研修センターは現空港と第3(C)滑走路を結ぶ誘導路の「結節点」にあります。
 国・成田空港会社は発着回数を年間50万回とする機能強化計画として2029年3月までの第3滑走路(3500 m)建設、夜間飛行時間延長、B滑走路再延伸(3500m)を推し進め、今春には機能強化のためのワンターミナル化構想を出してきました。
国土交通省は24年度概算要求で第3滑走路建設支援など成田空港関連で156億円を要求。空港会社は10月中にも第3滑走路準備工事に着手しようとしています。
研修センター裁判提訴はこれらの攻撃の一環です。
 三里塚再共有化運動開始から40年となる2023年。三里塚大地共有運動の会は三里塚大地共有委員会Ⅱの運動を受け継ぎ、所有者不明土地対策を口実とした共有地強奪の動きに対決し共有運動の継承・発展のために、会への共有地登記変更を進めてきました。
 研修センター裁判の第1回口頭弁論を前に、三里塚大地共有運動の会では12月3日に三里塚現地・横堀農業研修センターで第6回総会を開会します。会員の皆さんの出席を呼びかけます。

●総会案内
日時 12月3日(日)正午(予定)
会場 横堀農業研修センター



2024.1.29~横堀農業研修センター裁判傍聴に集まろう!

  全国の仲間の皆さん。2024年1月29日(月)、横堀農業研修センター裁判第1回口頭弁論の傍聴を呼びかけます。
 8月2日、成田国際空港会社は横堀農業研修センター(旧労農合宿所)の建物を撤去し、土地を強奪する裁判を千葉地裁に提訴してきました。
 空港会社は訴状で第3滑走路計画にふれることなく、空港会社が旧地主から大半の土地を取得し賠償支払能力があるからと、「全面的価格賠償」による共有地の強制買収、合宿所から40年以上占有してきた土地の明け渡し、建物撤去を求めてきました。さらに訴状では、反対派は研修センターを年1回旗開きでしか使用していないという虚偽の主張を行っています。
 さらに空港会社は確定判決前の強制執行を認める仮執行宣言まで求めており、拙速裁判による不当判決、仮執行宣言による研修センターの強奪・破壊を狙っています。
 横堀研修センターは現空港と、今秋にも準備工事が開始される第3滑走路を結ぶ誘導路の「結節点」にあり、国・成田空港会社が進める機能強化計画にとって研修センター撤去、土地強奪は不可欠となっています。
 横堀農業研修センター裁判提訴に対し、柳川秀夫さん、鎌田慧さんらの呼びかけで「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」が立ち上げられ、裁判支援の運動が開始されました。横堀農業研修センターの破壊・土地強奪を許さない闘いを進めていきましょう。 
24年1月29日(月)、横堀研修センター裁判傍聴への結集を呼びかけます。

■横堀農業研修センター裁判第1回口頭弁論
 2024年1月29日(月)
 /千葉地方裁判所午後2時30分集合、開廷午後3時
 /千葉地方裁判所601号法廷

■第2回口頭弁論 
 /2024年4月22日(月)
 /開廷午後1時30分/601号法廷

連絡先:三里塚大地共有運動の会(03-3372-9408)



2023年9月27日水曜日

報告:横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな! 9・24横堀現地集会

  9月24日、三里塚空港に反対する連絡会、三里塚大地共有運動の会の共催で横堀農業研修センターで「横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな!9・24横堀現地集会」を行い、38人が参加した。
 8月2日、成田国際空港会社は三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川秀夫さんなど4人の共有者に対して、反対同盟が芝山町横堀に所有する「横堀農業研修センター」(旧・労農合宿所)の建物を収去し、土地を明け渡させることを目的にした裁判を千葉地裁に提訴した。
 空港会社は、年間発着容量30万回から50万回への機能強化計画での第3滑走路2028年度完成をねらっている。そして、現空港と第3滑走路(C滑走路)をつなぐ誘導路の結節点の位置にあるのが横堀農業研修センターだ。

横堀農業研修センター破壊・撤去を許さない!

 空港会社は、すでに共有地強奪裁判(2009年提訴)を通して、2017年5月に強制執行で横堀現闘本部を奪っている。今回の訴状では仮執行を求めるなど、拙速な裁判による研修センター強奪の強引かつ早期の決着を目指している。第3滑走路を完成させるのに必要な土地を手に入れるため、司法権力を使って有無を言わせずに取り上げるというやり方だ。
 そもそも政府―公団は反対同盟との1993年の公開シンポジウムで、それまでのやり方が誤りであったと「謝罪」し、「今後強権的な手段は用いない。話し合いによる解決をはかる」と「約束」し、土地強制収用の根拠となる事業認定を取り下げた。

 だが、この姿勢はポーズでしかなかった。空港会社は、2002年サッカー・ワールドカップ開催を口実に、地元東峰地区の強い反対の声を踏みにじってB(平行)滑走路の建設・供用を強行し、その後も横堀、東峰の一坪共有地を裁判で強奪し、横堀現闘本部を破壊してきた。強制代執行に替わるものとして司法権力を使って反対運動の拠点を潰してきた。

裁判闘争に勝利しよう

 柳川秀夫さんは、空港会社による横堀農業研修センター破壊のための提訴に対して「土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのか。もう一本の滑走路が必要なのかと思う。」(8月8日)と批判し、反対同盟と被告、弁護団とともに反撃に向けた裁判闘争の準備を開始している。
 さらに反対同盟と支援は、横堀農業研修センター(旧労農合宿所)を守り抜くために「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」(呼びかけ人  柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏)」(別掲)を立ち上げた。9・24横堀現地集会は、横堀農業研修センターを守り抜き、これからの裁判闘争に向けた出発として取り組まれた。

ビデオ「どっこい闘魂 ここにあり」の上映

 集会の冒頭は、「どっこい闘魂 ここにあり」のビデオが上映された。1989年10月22日、労農合宿所の火事発生・消失後、反対同盟と支援は直ちに徹夜で作業し、夜明け前にプレハブの本部を完成させた。旧空港公団は、機動隊を動員し、再建作業の妨害、暴力的な労農合宿所の囲い込みを始めた。この暴挙に対して反対同盟、おっかぁたち、青年行動隊、支援は、体を張って阻止闘争を繰り広げた。旧公団と権力が一体となった攻撃を跳ね返す闘いの映像が次々と映し出された。
 集会開催にあたって山崎宏さん(事務局)から柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)からのメッセージが紹介された。

 柳川秀夫さんのメッセージ  「本日集まりの皆さん。ごくろう様です。
 1966年より57年間守られてきたこの地も収奪の対象になり、不本意ながら攻防の場所となりました。
 長きにわたり、この周辺がまがりなりにも樹木が繁り自然の状態を維持できていたのも、ここが守られてきたからに他なりません。
 雨が降らない日々が何カ月も続き、先日はとんでもない大雨が降りました。
 今や世界中、人類の生存にかかわる事態になっており、その中で更に緑の大地をひきはがし、コンクリートで固めようとすることはあらゆる意味で大罪であります。
 こういった事態に闘うわけです。
 そう多くの方法はないですけど、裁判での闘いをはじめ、全力を出して頑張ってゆきましょう。
 2023年9月24日」。

 仲間たちの発言

 発言は次々と以下のように行われた。
 平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は「ここは拡大する第3滑走路への接続点。早く決着をつけたい空港会社の焦りと横暴がある。空港会社が訴訟に訴えること自体が強制的手段で、受け入れることはできない。確信の下で闘っていきたい」と発言。
 山崎宏さん(事務局)は「この間裁判による土地収奪が行われきた。今回の裁判は運動の拠点、主体をつぶすための裁判と位置づけられる。断固として共に闘っていこう」と発言。
 繁山達郎さん(事務局)は、「空港会社の主張は強制的手段を取らないという確認に反している。訴状では研修センターは年一回旗開きでしか使用してないと書いてあるが、研修センターは農作業、イベントなどで使用し、一昨年からは修理・畳替えなどを行っている。資料を集めて反論していく。裁判への協力をお願いします。さらに登記義務化に対抗して共有地を守るために移転登記の取り組みを強化していきたい」と訴えた。
 中川憲一さん(元管制塔被告/支える会呼びかけ人)は、横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会への賛同、第一回口頭弁論(期日未定)傍聴を呼びかけた。
 鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ/支える会呼びかけ人)は「空港会社の訴状では、私たちは航空産業を支え、国際的位置に貢献していると。なぜこの土地が必要なのかは一言も書いてない。膨大な土地を削り緑を埋め立て、どれだけの幸せが地域にもたらされるのか。幻想に騙されて失うものがどれだけあるのか」と批判した。
 野島美香さん(支える会呼びかけ人)は「裁判所が権力を守る砦になっている。私たちの土地、生活を守るための裁判だ。少しでもがんばっていきたい」と発言 根本博さん(泉州沖に空港を作らせない住民連絡会、南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会)は、/支える会呼びかけ人)は、「三里塚闘争と共に南西諸島の自衛隊配備に反対する取り組みを行っている。空港の軍事利用と南西諸島の軍事化に反対していこう」と訴えた。
 最後に宮下智行さん(田んぼくらぶ)は、平田誠剛さん(「大震災義援ウシトラ旅団」、元管制塔被告)のメッセージを紹介し、「いわきは、8月8日の水害で大きな被害を受けている。原発からの汚染水海洋投棄反対運動と共に支援していこう」と呼びかけた。
 最後に芝崎眞吾さんの呼び掛けで「第3滑走路建設反対! 空港機能拡大反対! B滑走路の北側延伸やめろ! 横堀農業研修センターの破壊を許さないぞ! 裁判による土地強奪を許さないぞ! 騒音地域の拡大を許さないぞ! 生活・環境破壊をやめろ! 農民追い出し・農業破壊を許さないぞ!」などのシュプレヒコールを行った。
 集会後には、横堀鉄塔に移動し現地調査に移った。(Y)


■横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会
賛同の呼びかけ

 8月2日、成田国際空港会社は三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川秀夫さんなど4人の共有者に対して、反対同盟が芝山町横堀に所有する「横堀農業研修センター」(旧・労農合宿所)の建物を「収去」(撤去)し、土地を明け渡させることを目的にした裁判を千葉地裁に提訴してきました。
 成田空港が進める年間発着容量30万回から50万回への機能強化計画での第3滑走路2028年度完成へ、現空港と第3滑走路(C滑走路)をつなぐ誘導路の結節点の位置にあるのが横堀農業研修センターです。
 これに対して、柳川秀夫さんは「土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのか。もう一本の滑走路が必要なのかと思う。」(8月8日)と批判しています。
 前回の共有地強奪裁判(2009年提訴)の挙句、2017年5月に強制執行で横堀現闘本部を奪った空港会社は、今回の訴状では仮執行を求めるなど、前回以上に拙速な裁判による研修センター強奪の強引かつ早期の決着を目指しています。
 1977年5月、反対同盟、廃港要求宣言の会、三里塚闘争に連帯する会によって横堀の共有地に建てられた旧労農合宿所=横堀農業研修センターを守り抜くために、横堀農業研修センターを支える「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」を立ち上げて、今後の裁判を支えていきたいと思います。
 全国の仲間の皆さんに、横堀農業研修センター裁判への支援と支える会の賛同を呼びかけます。
   2023年9月

支える会呼びかけ人  柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏(順不同、9月13日現在)


◇研修センター裁判を支える会への賛同 1口1000円
郵便振替口座 00130-6-697201  口座名称 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 ※通信欄に「支える会賛同」と明記。氏名公表可か不可か記入ください。

▼連絡先/東京都渋谷区初台1‐50‐4‐103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 TEL03-3372-9408  kyoyu@sanrizuka.net



2023年9月7日木曜日

【ご案内】9.18代々木集会に一般社団法人三里塚大地共有運動の会のブースを出します。会のニュース、9.24横堀集会ビラ、地図などで宣伝活動をします。 会ののぼり旗も初めて掲げます。

  9.18代々木集会の詳細は、以下に掲載します。


9/18 集会&パレード「ワタシのミライ NO NUKES & NO FOSSIL~再エネ100%と公正な社会を目指して」(9/18 11:00~ 東京・代々木公園)

案内→https://watashinomirai.org/20230918_nnnf/   https://cnic.jp/47580

チラシ→https://tinyurl.com/mrxy46nv


 みんなでミライを創ろう!
 ワタシのミライ イベント&パレード
 代々木公園に全員集合!


集会&パレード「ワタシのミライ NO NUKES & NO FOSSIL~再エネ100%と公正な社会を目指して」


日 時:2023年9月18日(月・祝)11:00~16:00
場 所:代々木公園B地区・野外ステージ・けやき並木
    アクセス→https://www.yoyogikoen.info/access/
内 容:音楽ライブ、トークステージ、ブース、パレード

主 催:ワタシのミライ
    Fridays For Future Tokyo
    さようなら原発1000万人アクション
問合せ:「ワタシのミライ」事務局
     info@watashinomirai.org


注意事項
・熱中症対策を充分に行ってください(帽子着用、水分補給など)
・会場では、飲食の販売もあります。リユース食器を導入予定です。
・マイカップやマイ皿、カトラリーの持参をおすすめします。
音楽ライブ&トークステージ
時間:11:00~15:45

音楽ライブ
出演:ermhoi
   新月灯花
   自然界ラッパーOMG

トークステージ
内容:原発問題、気候変動問題、隣接する社会問題をテーマに世代や課題を横断したトークセッションを行います。

ブース出展
キッチンカー、展示ブース、グッズや軽食販売のブースを展開
・「ソーラーツリー」展示・飾り付け
・こどもひろば
・パレードのためのプラカード作り他

パレード
渋谷コース・原宿コースのどちらかにご参加ください。
15:00集合
15:30出発、
手作りのプラカードをぜひご持参ください。
会場内にプラカード作りのコーナーもあります。
楽器や鳴り物、装飾なども大歓迎です。

パレード集合場所・コース
①渋谷コース:市民団体、若者団体、NGOなど
 集合場所:ケヤキ並木
②原宿コース:労働団体など
 集合場所::代々木公園B地区入口(原宿側)

 夏休みに子どもたちが外で遊べている
 みどりが身近で、美しい四季を楽しめる
 地球のめぐみを分けあい、循環させている
 子どもを持つという選択を安心してできる
 みんなの意見が反映されて、誰もが安心して暮らせる
 1日の終わりに、明日を楽しみにできる
 それがワタシの望むミライ

 それなのに今、熱波、干ばつ、洪水、海面上昇、生物多様性の危機、放射能汚染や大気汚染、弱者へのしわ寄せ・・。
 気候危機はもう現実なのに、すでに多くのいのちが奪われ、この先もっと苦しむ人が増えるのに、なぜ化石燃料の延命、不確実な新技術?
 原発事故はまだ終わっていないのに、コストも高く、この先数万年も負の遺産を残し続けるのに、なぜ再稼働、運転延長、新増設、汚染水放出?
 このままではワタシのミライはありません。
 でも、今なら間に合います。
 化石燃料にも原発にも依存せず、再エネ100%で安心して暮せるミライへ、世界の仲間と一緒に一歩を踏み出しませんか。

 今まさに猛暑や大規模な災害というかたちで、私たちを襲う気候危機。
 原発事故や放射性廃棄物の問題も出口が見えません。
 それは、私とあなたで、みんなで声をあげなければ解決しません。
 音楽ライブや交流、カラフルで楽しいパレードなど、様々なプログラムを通して、きっとあなたも、自分が気候危機と関係していること、自分が社会を変える一部となれることを感じられるはずです!
 「いつか」では手遅れです。
 「今から」この状況を変えるためにみんなで集まりましょう!
 市民運動を加速させるべく新たに発足したネットワークの「ワタシのミライ」、2019年から気候変動解決に向け活動する「Fridays For Future Tokyo」、坂本龍一さんなどが発起人となった「さようなら原発1000万人アクション」が初めてタッグを組み、みなさんと一緒に、公正な社会課題解決の大きな第一歩を創ります!

2023年8月20日日曜日

横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな!

 9.24横堀現地集会に結集しよう!

三里塚空港に反対する連絡会  共催:三里塚大地共有運動の会


■日時 9月24日(日)午後1時集合
■場所 横堀農業研修センター/集会後、現地調査
■会場への行き方/東成田駅地上  12時30分集合 迎えの車待機

10:54発 京成上野 京成本線快速特急京成成田行
→11:58着 京成成田 (乗換 京成東成田線 芝山千代田行)
12:14発→12:20着 東成田


  成田国際空港会社は8月2日、横堀農業研修センターの建物を撤去し、土地を強奪するために千葉地裁に提訴した。空港会社は空港機能の拡大を図るために 第3(C)滑走路を完成させ、併せて空港ターミナルの施設の全面的配置変えを計画している。そのためにはどうしても3本の滑走路の結節点に存在する横堀の農業研修センターを撤去し、土地を確保しなければならないのだ。

 空港会社は提訴に先立って、「申入書」(6月15日付)を空港反対同盟・柳川秀夫代表世話人をはじめ4名の地権者に送りつけてきた。それは空港会社が過半数の共有持分権を有しているから、反対同盟は早急に建物を収去し、土地を明け渡せというものだった。1か月以内にそれを行わないのなら、法的措置を行う、と一方的に通告するものだった。空港会社は自らが必要とするものは司法権力を使って手に入れるということである。

 政府―空港公団(当時)は成田空港を建設するにあたって農民の反対を国家権力機動隊の力を使って抑え込んで推し進めてきた。農民とそれに連帯する労働者、市民の闘いにより滑走路1本で開港せざるを得なかった。政府―公団はさらに建設を進めるために「それまでのやり方は誤りであった」と謝罪し、「これからは強権的な手段は使わないで、話し合いによる解決を図る」と確約した。

 しかしその後はすべて裁判によって反対運動の拠点を破壊し、土地を強奪してきたのだ。今回の横堀農業研修センターへの攻撃もその延長線上にある。裁判による土地強奪を許すな!横堀現地に結集しよう!


横堀裁判への支援・カンパにご協力を
一口1000円(裁判カンパと明記願います)
ゆうちょ振替口座/口座記号番号 00130―6―697201
/口座名称 一般社団法人 三里塚大地共有運動の会

C滑走路建設とセットの誘導路建設、そして横堀農業研修センター撤去もセット(地図中央)




横堀農業研修センター裁判提訴に対して

 柳川秀夫(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)


 今回、成田空港会社からは特に働きかけはなく、裁判を起こしてきた。向こうは裁判は勝つに決まっているという腹だ。

 裁判を使った共有地取り上げというのは公開シンポのときは想像できなかった。権力者にはいろいろな手があることになる。公開シンポで今後空港建設で強制的手段をとらないと空港公団は言ったが、裁判は強制的手段ではないとやってきている。

 いずれにしろ、もう一本の滑走路を作らんがために裁判を起こしてきた。今のように温暖化が問題になっているときに、土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのか。もう一本の滑走路が必要なのかと思う。

2023年8月8日

声 明 横堀農業研修センターを守り抜き、三里塚闘争に勝利しよう

裁判闘争への支援を訴えます

三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)


 成田国際空港株式会社は8月2日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)に対して、反対同盟が芝山町・横堀に所有する「農業研修センター」の建物を収去し、土地を明け渡すことを目的にして千葉地裁に提訴しました。
 提訴に先立って、空港会社は空港反対同盟および土地の共有者4名に対して「申入書」(6月15日付)を送りつけてきました。それには以下のように書かれていました。

 「貴団体が所有する下記建物等(略)は当社が所有権または過半数の共有持分権を有する空港建設予定地内に所在しており、当社といたしましては、貴団体に対し、早急に本件各建物等を収去して、下記土地を明け渡していただくよう求めます。 なお、本書面到着後1か月以内に本件各建物等を収去して、下記土地を明け渡していただけない場合は、当社といたしましては、法的措置もやむを得ないものと考えております。」

 これは第3滑走路を完成させるのに必要な土地を手に入れるため、司法権力を使って有無を言わせずに取り上げるというやり方、恫喝そのものです。
 三里塚空港は位置の決定から建設、開港まで全ての過程でこのようなことが行われてきました。「国策」としての空港建設を、地元の農民・住民の意志を国家権力・警察機動隊の暴力で抑え込み、推し進めてきました。
 このようなやり方に対して全国の労働者、学生、市民が闘う農民・住民に共感し、闘いを共にしました。政府―空港公団(当時)は1978年に開港はしたものの、滑走路は1本しか供用できませんでした。
 政府―公団は反対同盟との1993年の公開シンポジウムで、それまでのやり方が誤りであったと「謝罪」し、「今後強権的な手段は用いない。話し合いによる解決をはかる」と「約束」しました。そして土地強制収用の根拠となる事業認定を取り下げました。しかし空港公団はその後も2002年サッカー・ワールドカップ開催を口実に、地元東峰地区の強い反対の声を踏みにじってB(平行)滑走路の建設・供用を強行しました。
 その後も横堀、東峰の一坪共有地を裁判で強奪し、横堀現闘本部を破壊してきました。強制代執行に替わるものとして司法権力を使って反対運動の拠点を潰してきたのです。
 反対同盟は空港会社のこのようなやり方を断じて認めることはできません。裁判闘争を断固闘い、横堀農業研修センターを守り抜き、共に三里塚闘争に勝利しましょう。

            2023年8月8日


2023年8月3日木曜日

声明 成田空港会社の強奪裁判提訴に対決し横堀農業研修センターを守り抜こう!

 8月2日、横堀農業研修センター(旧・三里塚連帯労農合宿所)の強奪裁判を成田国際空港会社(NAA)は千葉地裁に提訴してきました。
 NAAは6月15日付けで三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)に対して研修センター建物の1月以内の撤去・明渡を、柳川秀夫さんなど共有者に対しては共有地持ち分の月内「売却」を要求する「手紙」を送りつけてきました。
 この間、国・NAAは第3滑走路(C滑走路)建設、B滑走路延伸、夜間発着時間拡大という機能強化計画を推し進めてきました。機能強化では、成田空港の年間発着容量の30万回から50万回への拡大をめざしています。
 計画で現空港と第3滑走路をつなぐ誘導路の位置にあるのが横堀農業研修センターであり、研修センター強奪を狙って空港会社は裁判提訴をしてきたのです。
 横堀農業研修センターは、1977年5月、反対同盟、廃港要求宣言の会、三里塚闘争に連帯する会によって横堀の共有地に建てられ、三里塚闘争に連帯する現地拠点として全国の仲間が集ってきました。1989年10月火事を利用とした空港公団による囲い込みの策動、89年11月の現状変更禁止仮処分という合宿所を奪おうとする攻撃に対決し、横堀農業研修センター(97年)となった後も、反対同盟旗開きや盆踊りなどイベントや農作業のために利用されて続けてきました。
 NAAは93年公開シンポジウムで今後強権的な空港建設を行わないとして土地強制収用の根拠となる事業認定を取り下げた後も、B滑走路の供用・延伸と空港拡張を押し進めてきました。並行して、司法を使って共有地を強制的に売却させる共有地強奪裁判を09年に起こし、17年5月には反対同盟の横堀現闘本部を強制執行で奪ってきたのです。
 NAAは国交省の滑走路建設許可(20年1月)直後からのコロナ禍による国際便需要の激減後も、第3滑走路2029年3月完成計画に固執。埋蔵文化財調査、成田空港用地を1200ヘクタールから2300ヘクタールに拡張する用地取得のための用地測量、土質調査などを推進。22年10月のB滑走路延伸準備工事着工に続いて、23年10月にも第3滑走路建設準備工事を開始しようとしています。

 司法を使った共有地強奪・研修センター破壊の攻撃に対決し、横堀農業研修センター裁判への支援を。横堀農業研修センターを守り抜こう!


 2023年8月2日


一般社団法人 三里塚大地共有運動の会 (山口幸夫代表理事)
東京都渋谷区初台1-50-4-103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会
TEL03-3372-9408 Fax03-3372-9402

2023年7月10日月曜日

報告 三里塚フィールドワーク

  7月2日、三里塚フィールドワーク実行委員会は、「見て 聞いて 学んで バスで行く 三里塚フィールドワーク 成田空港反対運動の今」を行った。
 東京八重洲から三里塚現地に向かった。フィールドワークのコースは、①岩山地区─「空と大地の歴史館」 ②木の根地区─「木の根ペンション」 ③東峰地区─東峰共同墓地(大木よねさんへ献花)、らっきょう工場 ④横堀地区─横堀農業研修センター、横堀鉄塔、案山子亭だった。
 各コースについては、当日配布された資料を紹介する。

 ①空と大地の歴史館

 成田空港会社が運営する資料館。2011年6月23日に開館。シンポジウム・円卓会議を経て、『成田空港と地域をめぐる歴史的経緯とともに当時そこに関わった様々な立場の人々の苦悩と想いを正確に後世に伝える』ことを目的に、1997年成田空港地域共生委員会の歴史伝承部会が発足。その後、空港会社に事業が引き継がれ、歴史伝承部会(のちに歴史伝承委員会)が収集した資料を展示する施設として開館した。
 歴史伝承委員会が調査・収集した資料は地域振興連絡協議会(会長千葉県知事)に帰属。


 ②木の根ペンション・プール

 木の根地区は、下総御料牧場用地が払い下げられ、1946年に入植・開墾が始まった。反対同盟が結成され、1967年住民により木の根団結小屋が建てられる。団結小屋は1989年、木の根ペンションとして生まれ変る。2000年、芝山鉄道ルートにかかり撤去を求められるが、曳屋により現在の場所に移転。

 自力で畑にかんがい設備を作る運動が1979年に起こされた。風車は地下水を汲み上げる動力として、プールは水を溜めるため池として作られた。風車は故障続きだったが反対闘争のシンボルとして残った。ため池は「闘争には楽しみも必要」という小川源さんの発案でこどもたちのプールになった。
 このプールで遊んでいた大森武徳さんが2010年から清掃を開始、2011年にプール復活。2022年にはクラウドファンディングにより補修を行った。木の根プール復活後は、『生産者と消費者を繋ぐ場』『農村と都市部の交流の場』というコンセプトが、新たな形となって活性化され、音楽イベントなど様々なジャンルのイベントを通して、世代を超えた交流の場所として多くの人々に愛されている。

 

 ③東峰地区


 東峰共同墓地(大木よね墓)

 東峰は戦後の開拓。県有地が払い下げられた。大木(小泉)よねさんは、隣接する古村・取香(とっこう)に暮らしていた。取香地区は移転をきめていたが、よねさんは反対を貫いた。1971年9月20日、自宅と畑が強制収用された。親しかった東峰の人々が提供したプレハブに移り住んだ。収用から2年後に亡くなり、東峰共同墓地に土葬された。補償問題は長年放置されていた。2015年養子の小泉英政さん美代さんと空港会社が和解。勝ち取った生活補償は「よねさんからの寄金」として辺野古基金など9団体に送られた。42回目の命日を前に「よねさんの碑」が建てられた

 

 らっきょう工場

 有限会社三里塚物産は有機農産物の加工と販売を目指して1978年に設立。伝統的な製法を基本とした、添加物を使用しない製品を作り続けている。地域では親しみを込めて「らっきょう工場」と呼ばれている。設立から40年余りが過ぎた今、周辺地域には有機農業が広く根付き、新規就農する多くの若者たちも集まることから「有機農業のメッカ」とも呼ばれている。

 

 ④横堀地区

 横堀農業研修センター

 横堀地区は、明治末期に開墾が始まった高台の集落。移転した農家跡の共有地に1977年5月、三里塚闘争連帯労農合宿所が開設され多くの団体、個人により活用されてきた。1989年火災で焼失するが、反対同盟は1日でプレハブ小屋を再建。翌日、土地を囲い込もうとする空港公団・機動隊を反対同盟は撃退した。1997年労農合宿所は閉所し、その後は横堀農業研修センターとして、反対同盟旗開きや田んぼくらぶ、ジャガイモ運動の拠点として活用されている。周辺の竹やぶは春になるとタケノコ掘りが行われている。研修センターと案山子亭の看板は、横堀の熱田一さんが書いた。
 第三滑走路計画では誘導路にかかる。昨年、空港会社は周辺の竹やぶを伐採。今年6月、空港会社から反対同盟や共有者に対し明け渡しを求める文書が届いた。今後は土地取り上げの裁判提訴が予想される。

 

 横堀鉄塔・案山子亭

 当初の横風用滑走路予定地の真ん中にある横堀団結小屋。1977年、要塞建設のため穴堀りを始めるが用地内のため中止。要塞はB滑走路アプローチエリアに移して建設され開港阻止闘争では激しい攻防が行われた。1986年二期工事監視用塔として反対同盟が鉄塔を建設。高さ30メートルあったが、安全のため2017年に上部を撤去した。
 案山子亭(かかしてい)は、農作業の休憩場所として1988年に建てられた。鉄塔下にあるのは、沖縄の彫刻家、金城実さんが作った「抗議する農民」像。岩山大鉄塔、労農合宿所を経て、横堀鉄塔に置かれた。管制塔占拠闘争で逮捕され、長期拘留による精神的苦痛を受け、1982年自死した原勲さんの墓があり、毎年4月には墓参と花見が行われている。

 


 木の根ペンションでは、平田誠剛さん(三里塚管制塔被告団)、大森武徳さん(らっきょう工場/続・木の根物語プロジェク
ト)のお話があった(要旨別掲)。
 東峰共同墓地かららっきょう工場では、平野靖識さん(らっきょう工場)のお話が行われた(要旨別掲)。
 さらに横堀地区に向かった。横堀農業研修センター、横堀鉄塔・案山子亭を通して空港の全景を把握し、巨大開発に対する農民の闘いの意義、空港機能強化と第三滑走路建設の問題などについて考察を深めていった。
 帰りの車中、参加者は、フィールドワークの感想などを出し合い交流を深めていった。(Y)



 
 
 ■平田誠剛さんのお話(要旨)

 成田空港は、1978年3月30日から供用開始する予定だった。全国の仲間たちとともに1週間連続の闘いを組んでいた。すでに77年から機動隊と鉄パイプでぶつかり、火炎瓶が乱れ飛ぶ闘いを行っていた。
 管制塔被告団は、別行動で3月25日の夜に地下道に入り、26日午後1時に地上に出て、空港内に突入した。管制塔に駆け上がり、管制室を壊した。9ゲートでは先行してトラックを先頭にした突入部隊が機動隊と闘った。私は逮捕され、8年ほど獄中に捕らわれた。11年も獄中にいた仲間もいた。
 それまで国・空港公団のやり方が強引だったが、管制塔事件によって反省に追い込まれた。「話し合い」と言っていたが、裏交渉も進めていた。最終的に熱田派は、国に対して「強引なやり方は、だめだ」ということを認めさせた。
 その後、現闘の仲間、三里塚に残った人、だめだと判断した人たちがいた。そういうなかで3・26闘争を闘った大森万蔵さんの息子である武徳さんがこの地で住んでいる。新しい闘い方を行っている。
 闘いは終わっていない。柳川秀夫さんなど農業で暮らしている人達もいる。三里塚から各地域に入って様々な闘いを行っている人もいる。
 私は今、いわきで住み、震災、原発事故被災の仲間たちと交流している。やはりその根っこにあるのは三里塚だ。
 現闘の女性に対するひどい性差別事件があった。長い間悩んできた。だから5年前の管制塔占拠40周年の集会も行っていいものかと議論になった。検証する作業を続けている。女性たちの声を上げる取り組みと繋ぎながらやっていきたい。

 ■大森武徳さん(らっきょう工場/続・木の根物語プロジェクト)の話(要旨)

 トン汁は三里塚の野菜を使ってます。ぜひ食べてください。らっきょう工場には、らっきょうがたくさんありますから、ぜひ購入してください。
 私のお父さんは社会運動から三里塚闘争に参加した。全国から駆けつけた若者の一人でした。農民と政府が対決する中、自分はどのように生き方ができるのかと模索しながら団結小屋で生活していた。1978年の3・26闘争ではトラック部隊のメンバーとして闘った。
 開港後も闘いは続き、その中で私が生まれた。木の根の小川源さんなど反対派の農民によって土地が提供され、子どもたちのために木の根プールができた。大きな風車もあった。やがてペンションもできた。
 2016年ごろ脱サラの人が三里塚を学びたいということで木の根に来ました。その友達がここでイベントをやりたいと提案し、コラボでやり、大盛況でした。
 それ以降、コンサート、盆踊りなど様々なイベントを取り組み、人の輪が広がっていった。YouTubeを観て、事前に三里塚のことを勉強してくる人達も参加するようになった。「おかしいことはおかしいじゃないか」と声を上げていくきっかけともなった。今後も知恵を出し合い、交流を深め、人の輪を広げていきたい。
 僕が小さいころに胸に刻んだように、今の三里塚を子どもたちにも伝えていきたい。ここを大事にしていこう。

 ■平野靖識さん(らっきょう工場)のお話(要旨)

 7月4日は、三里塚にとって運命的な屈辱的な日だ。57年前、1966年7月4日に羽田に変わる国際空港として成田市三里塚、芝山に持ってくることを佐藤栄作、友納武人千葉県知事の合意のうえで閣議決定した。
 この日から三里塚の農民は闘い続けてきた。反対同盟ができた時は、一千戸が参加していた。今は、用地内に土地を持って闘っている農民、関係者は5戸、三里塚物産がある。
 大木よねさんの土地が強制的にとられたのが、1971年、強制代執行の年だ。農民が主体的に闘ったピークだった。その後も空港公団と農民との闘いは長く続いた。1978年5月に4000m滑走路1本で開港した。4月に三里塚物産を設立している。
 私は地元の農民ではなく、1969年3月、単身で戸村一作委員長を訪ねた。農民と苦楽を共にできたのは、そういった経過が要因だったかもしれない。
 さらに、1年前に中国を訪問していた。当時はプロレタリア文化革命の最中だった。青年たちは農村に入っていった。
 日本ではベトナム反戦運動が高揚していた。日米安保体制に対する闘いが展開されていた。若者たちは社会を支えることを否定し、大学闘争、街頭闘争、平和運動を取り組んでいた。
 私は中国の青年たちのように千葉の農村に入っていった。1971年、強制代執行の年で厳しい闘いの真っ最中でもあった。
 70年代は、日本各地で公害問題が起きていた。農民にとっては、農薬と化学肥料の問題があった。水俣公害は、農薬と化学肥料を作っていく過程で廃棄し起きた。
 三里塚の青年行動隊は、この問題を取り上げ、議論を深めていた。公害を生み出す農薬と化学肥料をつかうべきなのかとアプローチしていった。水俣の人達のチッソ会社へ抗議し、三里塚に応援にも来た。交流が深められていった。
 その結果、「三里塚の百姓は近代合理主義の象徴ともいえるような空港、航空産業に対して闘いをいどんでいるが、農薬と化学肥料を使う近代農法でいいのか」と問いかけた。
 やがて微生物農法による自主耕作運動の取り組みを開始していった。すでに茨城の大規模開発に反対する農民たちが微生物農法によってある程度の成功を収めていた。この闘いに学び1972年ごろから微生物農法、すなわち有機農法の取り組みを始めた。
 その後、残念なことに反対同盟は、1983年3月8日に熱田派、北原派に分裂した。さらに北原派から小川派に分裂した。最後まで闘いを続けた農民は、有機農法に帰結した人達が闘いを続けている。
 成田空港問題シンポジウム(1991年11月)、成田空港問題円卓会議(1993年9月)を通して政府は「用地の取得においては、いかなる状況のもとにおいても強制的手段を取らない」ことを確約し、土地収用法の収用申請を取り下げた。
 農民は大量生産、大量消費、ゴミの山ではなく、解放された土地として「地球的課題の実験村」を提起した。この考え方は続いており、三里塚ワンパック野菜などが取り組まれている。
 だが現在も空港のさらなる機能強化ということで自然破壊が進められている。そうではない地域作りを行っていきたい。