2019年9月18日水曜日

【ブログ掲載・拡散歓迎】台風被害カンパ要請

 2019年9月17日
一般社団法人三里塚大地共有運動の会

台風15号による横堀研修センター被害の修繕カンパに御協力お願いします。
   1口 1000円
 【目標額/トイレ修繕費10万円+納屋修繕費20万円】

★かならず「台風被害カンパ」と明記してください。
ゆうちょ振替口座/口座記号番号 00130―6―697201
         口座名称 一般社団法人 三里塚大地共有運動の会

一般社団法人三里塚大地共有運動の会
連絡先/〒151-0061 東京都渋谷区初台1-50-4-103
 電話   03-3372-9408/FAX03-3372-9402 
/メールアドレス  kyoyu@sanrizuka.net



  9月8日から9日かけて首都圏をおそった台風15号は、9日未明千葉市に上陸し、東関東自動車道をなぞるように北東に進みました。千葉市や成田市で観測史上最大の風速を記録する強い台風でした。千葉県内では電柱や木々が倒れ、大停電が発生し、住宅や農業用ハウスなどに大きな被害がありました。
 63万軒に及ぶ停電は、当初11日中の復旧を目指すとされましたが、被害は広範囲で、完全復旧の見込みは次々と繰り延べられ、現在では27日とされ、1週間を経過しても、いまだ、75000軒が停電し、15000軒が断水しています。
 空港周辺の成田市、芝山町、多古町でも停電・断水が続き、私たちの闘う仲間も被害を受けています。三里塚空港反対闘争の拠点である横堀農業研修センター(旧・労農合宿所)では、納屋の屋根や壁の一部が飛び、トレイが横倒しになりました。
 9月13日事務局会議では、緊急の現地入りとともに研修センター修繕などの「台風被害カンパ」、修繕作業などを取り組むことを決めました。皆さん、御協力お願いします。


■9月14日、横堀農業研修センター応急補修と現地調査の報告

 9月14日(土)三里塚大地共有運動事務局と中川憲一さん(元管制塔被告団)は、3人で三里塚現地に行きました。
 台風通過の2日後、千葉の仲間から「横堀農業研修センターのトイレ、納屋の屋根が飛んでいる。トイレそのものが横倒しになっている。東峰・ワンパック鶏舎の屋根も飛び、ソーラーパネルのインバーターを設置した小屋が倒壊。横堀鉄塔は竹が倒れているものの、農民像は無事」という報告が届いていました。
 緊急でしたが、私たちは、水・缶詰、ブルーシートなどを持参して京成東成田駅に午前10時過ぎに集合。天気は曇。倒木、壊れたビニールハウス、屋根にブルーシートが張られていたところなどが目立ちました。いまだに停電、断水が続いており、深刻な生活被害が続いているようです。

以下、訪問した順で報告します。
②  の根ペンション―被害なしでしたが、停電中。念のためにブレーカーが落としてありました。

 ②柳川秀夫さん宅(芝山町香山新田)―畑に被害、裏の木が倒れ電線に引っかかっています。停電は1日だけでしたが、発電機もあり、自力で乗り越えました。
里芋の葉、シートで覆った野菜も被害を受けています。
 柳川さんは、畑に野菜の種を撒く作業中でしたが、次のように話していました。
 「台風が通過する時はすごかった。大変だよ。電気は一晩だけだったらよかった。裏庭の大木が半分から折れた。家に直撃しなくてよかった。俺のところはまだいいほうだ。ニンジンとか野菜は出荷できない状態だ。秋の野菜は値段が高くなるな。ハウス農家は、ビニールが吹っ飛んだり、パイプが折れたりで大変だ。立ち直れないほどだ。稲刈りが終っているところはいいが、稲が倒れて収穫できず、収穫したものは乾燥機に入れるが停電で乾燥できずに芽が出てきてだめになってしまう。田んぼの被害は大きいだろう。秋の台風のはじめだからな。また来たら大変だよ」。
 ③横堀鉄塔と案山子亭(芝山町香山新田)―停電中。手前の誘導路下のトンネルも停電。建物に被害はないものの、周囲の竹や木が倒れています。電話ケーブル切断で固定電話も停止中。倒れた竹、木を切ったり、草刈りが必要です。整備作業の応援が必要です。
 ④横堀農業研修センター(芝山町香山新田)―停電中。固定電話停止中。竹が多数倒れています。竹の撤去作業をして車を庭に入れた。トイレは、横倒れになっており、屋根・壁等が吹き飛んでいます。納屋も強風と雨で被害を受け、老朽・腐敗をさらに促進。母屋、フリースペース、ポンプ小屋は無事でした。
 私たちは、破壊されたトイレの前面の屋根を取り外し、ロープで引っ張り、横倒れの状態から原状に戻しました。明日からの雨の打撃を避けるためブルーシートを張りました。これらはとりあえずの応急処置であり、今後、修繕のための作業などを設定する必要があります。当然、トイレ修繕のための新たな材料などを購入するためのカンパ、また納屋修繕も含めたカンパが必要で全国の仲間に訴えることを再確認しました。
 ⑤石井紀子さん宅(成田市川上)―石井さんは不在。事前の報告によると入り口の杉の木が倒れていたが、すでに撤去されていました。停電は5日間、ロウソクで過ごしていたとのことです。
 ⑥らっきょう工場(成田市東峰)―停電は4日間。訪問時は休日。空港会社が植えた防風林が数本、工場に向かって倒れ、除去されず放置されたままでした。旧出荷場前の荷物小屋がバラバラになっていたほか、空港会社が設置した「騒音避難プレハブ」や仮設トイレが横倒しになっていました。
 ⑦東峰・新出荷場は、鶏舎の屋根が飛び、トタンの屋根が木にぶら下がったままでした。屋根を失った鶏舎のなかの鶏は元気でした。

 ⑧加瀬勉さん宅(香取郡多古町牛尾)―加瀬さんは停電でも断水でも、とても元気でした。井戸水を耕運機で近所に配ったり、近所の被害状況を写真撮影したりして活躍中です。多古町は七割が停電と断水。固定電話も携帯電話もつながりにくい。店舗も閉店。停電はあと2週間続くようですが、ガスはプロパンなので、調理はできます。
 加瀬さんは、開口一番「電気がつかないけど、テレビ、パソコン、読書から解放され、さまざまなことを考える時間ができている。満月の下、野外で虫の響きを感じながら食事だ。早朝は白々と明けていく空に感動してるんだ。こんな解放感を味わったのは生まれて初めてだ」と述べてました。
 さらに「牛尾集落50軒中、電動ポンプの井戸は10軒、手押し井戸は5軒。発電機があれば、水は出る。さらに高谷川や栗山川、山からのわき水など、水は充分にある。だからあわてる必要ない。コンビニは停電で休業中だ。水はコンビニで買うものという発想だからだめなんだ。濾過すれば飲み水もできる。自然に対する自給自足のゲリラ戦の思想があるから、こういう時に生かせるんだ」と強調していました。ペットボトルの水を持参したのが、恥ずかしかったです。
 私たちは、加瀬さん宅に上がり、三里塚闘争史館のように歴史的な写真や書類等が並んでいる部屋で、コーヒーをご馳走になりながら、台風後の対応などについて話を伺いました。
 ⑨行き帰りの道では、いたるところで杉の植林が倒れていました。農業用ハウスは骨組みだけとなり、その骨組みも押しつぶされたようにゆがんでいました。
 通行量の少ない道路では、いまだ倒木が放置され、通行できないところがありました。辺田でも、道路を横切るように田んぼに向かって杉の木がたおれ、電線を切断していました。信号機も各所で消えており、空港南側入り口である第6ゲート(旧5ゲート)前の千代田交差点は交通量が多いにもかかわらず、消えていました。しかし、そこから500メートルほどの横宮交差点は正常に動いています。
 コンビニは、営業中のところもあれば、停電で閉店のところもありました。停電の場所はまだらです。東峰のコンビニは営業しており、弁当などは普段どおりですが、冷蔵庫内の冷凍食品やノンアルコール飲料は空っぽでした。
 農業の被害が大きいことは、少し見ただけでも実感できました。しかし、停電と断水の影響は、じわじわと生活を脅かしており、外から眺めただけでは判りません。早急な復旧や支援が必要と感じました。