2022年1月15日土曜日

報告:2022反対同盟旗開き

 主催:三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)


 1月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「2022反対同盟旗開き」を行い、43人が参加した。
 新型コロナウイルスの感染拡大による航空需要が国際的に後退しているにもかかわらず斉藤鉄夫国交相は、「日本の国際競争力強化のために2029年首都圏空港として年間100万回を達成しなければならない。そのために必要な整備は成田空港で3本目滑走路建設などさらなる機能強化だ」(21・10・6)と述べ、資本の利潤をひたすら追い求める成長路線に必死にしがみつこうとしている。その現れとして2022年度政府予算案では第3滑走路新設や第2滑走路延伸などに176億円を計上した(12・24)。
 この国交省路線に基づき成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は、成田空港の第2滑走路延伸準備工事を2022年秋ごろに始め、第3滑走路建設を23年度着工を強行することを明らかにした。また、田村は用地買収の交渉について「地元のみなさまに丁寧な説明や情報提供を行って計画を進めていきたい」などと言っているが、その実態はカネを積み上げ、必要に応じて司法を使った立ち退きの強要を策動している。この目論見と連動して、土地登記を罰則付きで義務づける登記義務化法(改定民法・不動産登記法/21・4)制定し、所有者不明土地収用を押しすすめようとしている。このターゲットは、明らかに三里塚一坪共有地の強奪だ。24年から相続登記、住所変更登記の義務化を強行する。一坪共有地を防衛し、一般社団法人三里塚大地共有運動の会が取り組む移転登記の取り組みを支えていこう。
 人権侵害・環境破壊に満ちた成田空港の機能強化に対して反対同盟は、木の根ペンションと一坪共有地、横堀鉄塔と案山子亭、横堀農業研修センターの拠点を守り抜き、岸田政権と成田空港会社の野望と真向から対峙し、空港廃港に向けた闘いを打ち固めるために旗開きで闘う意思一致を行った。

 旗開きは山崎宏さん(労闘・労活評)の司会で始まり、「新型コロナウィルスの感染が急速に拡大している。利益だけを追い求め続ける在り様の反映だ。岸田政権と空港会社は、空港機能拡張ということで第3滑走路建設に邁進している。秋には北側延伸に向けて東関東自動車道のトンネル化を着工しようとしている。第3滑走路本格着工を24年に始めると宣言した。私たちは、闘いを継続し、発展させていこう」と挨拶した。
 柳川秀夫さん(反対同盟大代表世話人)は、「皆さん、今年もしぶとく生きていこうと思います。コロナ感染の拡大は、文明自身が問われている。どのように闘っていくか、まさに時代の使命として考えていきたい。第3滑走路建設は、今、求められている状況とは真っ向から逆行したものだ。成田の緑をまる裸にし、どれだけ自然界に負荷をかけるのか。経済優先、巨大開発は見直さなければならない。百姓をやっていて環境が厳しくなってきていることは身体で実感している。自然の変化のほうが早くなっている。食べ物も相当深刻な問題となってくるだろう。空港の拡張もここにきて無理だということがはっきりしている。これからも頑張って闘っていこう」とアピールした。
 加瀬勉さん(多古町)は、「スウェーデンの環境活動家グレタさんには大いに励まされた。『空飛ぶ飛行機は恥だ。私は乗らない。たった一人のストライキ、G7は喋っている時ではない、行動を起こせ。G7、あんなものは指導者ではない。ここにいる私たちが指導者である。地球を、私たちの未来を壊す者を絶対に許さない』と語った。彼女の言葉と行動には人間としての勇気、決意、未来に対する責任がある。三里塚闘争50年余心新たにして闘いを継続してゆこう」と呼びかけた。
 さらに「この8月から用地の買収と工事用の道路の建設がはじまる。農地を強奪し、環境を破壊し、騒音地獄を作り出す拡張工事に断固反対する。福島の汚染水海上投棄問題、名古屋中部空港拡張、大阪万博問題、沖縄辺野古新基地反対闘争など全国の人々と共闘して闘いの輪を広げてゆこう」と述べ、最後に第3滑走路建設による追い出し攻撃を許さず、「私は絶対に移転をしません」と力強く宣言した。
 平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は、「三里塚歴史 考証室通信」(創刊号)の紹介、取り組みを報告した。
 渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会/関西三里塚相談会)は、「1・30関西三里塚闘争旗開き&大地共有運動報告」、「南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会」の取り組みの報告、アピールを行った。
 繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会・事務局長)は、21年12月12日に行われた一般社団法人三里塚大地共有運動の会第4回総会と記念集会、一坪共有地移転登記の取り組みなどを報告した。さらに「三里塚共有地管理・登記変更第2次カンパの呼びかけ」を報告し、「共有地を奪う登記義務化に対抗し、三里塚大地共有運動の共有地を共に守り抜くため、第2次登記変更カンパへの協力を呼びかけます」と訴えた。(カンパアピールは別掲)
 続いて管制塔被告団の中川憲一さん、連帯社、日米安保終了を通告する会、労闘・労活評、新時代社から連帯アピールが行われた。

 旗開き終了後、東峰の旧共同出荷場跡に移動。三里塚空港に反対する連絡会が主催する「1・9東峰現地行動」が取り組まれ、開拓道路から成田空港滑走路に向けて「第3滑走路建設をやめろ!成田空港を廃港にするぞ!」などのシュプレヒコールを行った。(Y)

■三里塚共有地管理・登記変更第2次カンパの呼びかけ
 一般社団法人三里塚大地共有運動の会
(代表理事 山口幸夫)

 三里塚に心によせる皆さん。共有地管理・登記変更カンパを呼びかけます。
 三里塚大地共有運動の会は、柳川秀夫さん、加瀬勉さんの呼びかけで三里塚大地共有委員会Ⅱの活動を受け継いで2018年に設立しました。共有地強奪につながる所有者不明土地対策立法、共有者の物故・相続による共有地分散化による空港会社の買収という動きに対して、個人から法人(共有運動の会)への登記変更、共有地の管理を目的に立ち上げたものです。
 共有運動の会では発足時に共有地登記変更を目的にしたカンパを全国の仲間に呼びかけ、400万円の協力をいただきました。この3年間で木の根と東峰の共有者100人(故人を含む)の持ち分の共有運動の会への登記変更(費用1件4万円前後)を行い、第1次カンパを使い切りました。
 2021年4月、所有者不明土地対策立法の仕上げとして、土地登記を罰則付きで義務づける登記義務化法(改定民法・不動産登記法)が成立。既に成立している所有者不明土地収用を知事の判断だけでできる制度、判明している共有者だけの同意で「不明」の共有者の持ち分まで買収できる制度などと合わせ、相続・転居などで登記変更しない状態が続く共有地の取上げへつながる法律です。相続登記、住所変更登記の義務化は24年から順次施行されようとしています。
 成田空港会社は新型コロナによる国際線旅客数9割減にも関わらず、2029年3月までの第三滑走路建設・B滑走路延伸などの成田機能強化を推し進めており、登記義務化はこれに連動した動きです。
 これに対して、共有運動の会では登記変更に引き続き取り組んでいきます(再共有化から40年近く経っているために手続に時間がかかるケースもあります)。また、共有地に建つ横堀農業研修センターや木の根ペンションの管理・保全の活動、イベントなどへの協力を進め、空港会社による司法を使った共有地強制買収と「任意」買収の目論見に対決していきます。
 登記変更に係る手続きは専門職(司法書士)に依頼し、法務局への手続きの費用は会費・カンパから共有運動の会が負担しています。この間イベントや集会の際にしてカンパをお願いしていますが、1次カンパを使い切ったため、全国の仲間の皆さんに改めてカンパ協力をお願いすることになりました。
 共有地を奪う登記義務化に対抗し、56年間続く三里塚大地共有運動の共有地を共に守り抜くため、第2次登記変更カンパへの協力を呼びかけます。
 2022年1月
  一般社団法人三里塚大地共有運動の会(代表理事 山口幸夫)

◆共有地管理・登記変更第2次カンパ  目標額 200万円
 カンパ送り先 郵便振替口座 00130-6-697201
 口座名 一般社団法人三里塚大地共有運動の会
連絡先▼東京都渋谷区初台1-50-4-103一般社団法人三里塚大地共有運動の会
TEL03-3372-9408 FAX03-3372-9402  kyoyu@sanrizuka.net