2023年9月27日水曜日

報告:横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな! 9・24横堀現地集会

  9月24日、三里塚空港に反対する連絡会、三里塚大地共有運動の会の共催で横堀農業研修センターで「横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな!9・24横堀現地集会」を行い、38人が参加した。
 8月2日、成田国際空港会社は三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川秀夫さんなど4人の共有者に対して、反対同盟が芝山町横堀に所有する「横堀農業研修センター」(旧・労農合宿所)の建物を収去し、土地を明け渡させることを目的にした裁判を千葉地裁に提訴した。
 空港会社は、年間発着容量30万回から50万回への機能強化計画での第3滑走路2028年度完成をねらっている。そして、現空港と第3滑走路(C滑走路)をつなぐ誘導路の結節点の位置にあるのが横堀農業研修センターだ。

横堀農業研修センター破壊・撤去を許さない!

 空港会社は、すでに共有地強奪裁判(2009年提訴)を通して、2017年5月に強制執行で横堀現闘本部を奪っている。今回の訴状では仮執行を求めるなど、拙速な裁判による研修センター強奪の強引かつ早期の決着を目指している。第3滑走路を完成させるのに必要な土地を手に入れるため、司法権力を使って有無を言わせずに取り上げるというやり方だ。
 そもそも政府―公団は反対同盟との1993年の公開シンポジウムで、それまでのやり方が誤りであったと「謝罪」し、「今後強権的な手段は用いない。話し合いによる解決をはかる」と「約束」し、土地強制収用の根拠となる事業認定を取り下げた。

 だが、この姿勢はポーズでしかなかった。空港会社は、2002年サッカー・ワールドカップ開催を口実に、地元東峰地区の強い反対の声を踏みにじってB(平行)滑走路の建設・供用を強行し、その後も横堀、東峰の一坪共有地を裁判で強奪し、横堀現闘本部を破壊してきた。強制代執行に替わるものとして司法権力を使って反対運動の拠点を潰してきた。

裁判闘争に勝利しよう

 柳川秀夫さんは、空港会社による横堀農業研修センター破壊のための提訴に対して「土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのか。もう一本の滑走路が必要なのかと思う。」(8月8日)と批判し、反対同盟と被告、弁護団とともに反撃に向けた裁判闘争の準備を開始している。
 さらに反対同盟と支援は、横堀農業研修センター(旧労農合宿所)を守り抜くために「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」(呼びかけ人  柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏)」(別掲)を立ち上げた。9・24横堀現地集会は、横堀農業研修センターを守り抜き、これからの裁判闘争に向けた出発として取り組まれた。

ビデオ「どっこい闘魂 ここにあり」の上映

 集会の冒頭は、「どっこい闘魂 ここにあり」のビデオが上映された。1989年10月22日、労農合宿所の火事発生・消失後、反対同盟と支援は直ちに徹夜で作業し、夜明け前にプレハブの本部を完成させた。旧空港公団は、機動隊を動員し、再建作業の妨害、暴力的な労農合宿所の囲い込みを始めた。この暴挙に対して反対同盟、おっかぁたち、青年行動隊、支援は、体を張って阻止闘争を繰り広げた。旧公団と権力が一体となった攻撃を跳ね返す闘いの映像が次々と映し出された。
 集会開催にあたって山崎宏さん(事務局)から柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)からのメッセージが紹介された。

 柳川秀夫さんのメッセージ  「本日集まりの皆さん。ごくろう様です。
 1966年より57年間守られてきたこの地も収奪の対象になり、不本意ながら攻防の場所となりました。
 長きにわたり、この周辺がまがりなりにも樹木が繁り自然の状態を維持できていたのも、ここが守られてきたからに他なりません。
 雨が降らない日々が何カ月も続き、先日はとんでもない大雨が降りました。
 今や世界中、人類の生存にかかわる事態になっており、その中で更に緑の大地をひきはがし、コンクリートで固めようとすることはあらゆる意味で大罪であります。
 こういった事態に闘うわけです。
 そう多くの方法はないですけど、裁判での闘いをはじめ、全力を出して頑張ってゆきましょう。
 2023年9月24日」。

 仲間たちの発言

 発言は次々と以下のように行われた。
 平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は「ここは拡大する第3滑走路への接続点。早く決着をつけたい空港会社の焦りと横暴がある。空港会社が訴訟に訴えること自体が強制的手段で、受け入れることはできない。確信の下で闘っていきたい」と発言。
 山崎宏さん(事務局)は「この間裁判による土地収奪が行われきた。今回の裁判は運動の拠点、主体をつぶすための裁判と位置づけられる。断固として共に闘っていこう」と発言。
 繁山達郎さん(事務局)は、「空港会社の主張は強制的手段を取らないという確認に反している。訴状では研修センターは年一回旗開きでしか使用してないと書いてあるが、研修センターは農作業、イベントなどで使用し、一昨年からは修理・畳替えなどを行っている。資料を集めて反論していく。裁判への協力をお願いします。さらに登記義務化に対抗して共有地を守るために移転登記の取り組みを強化していきたい」と訴えた。
 中川憲一さん(元管制塔被告/支える会呼びかけ人)は、横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会への賛同、第一回口頭弁論(期日未定)傍聴を呼びかけた。
 鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ/支える会呼びかけ人)は「空港会社の訴状では、私たちは航空産業を支え、国際的位置に貢献していると。なぜこの土地が必要なのかは一言も書いてない。膨大な土地を削り緑を埋め立て、どれだけの幸せが地域にもたらされるのか。幻想に騙されて失うものがどれだけあるのか」と批判した。
 野島美香さん(支える会呼びかけ人)は「裁判所が権力を守る砦になっている。私たちの土地、生活を守るための裁判だ。少しでもがんばっていきたい」と発言 根本博さん(泉州沖に空港を作らせない住民連絡会、南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会)は、/支える会呼びかけ人)は、「三里塚闘争と共に南西諸島の自衛隊配備に反対する取り組みを行っている。空港の軍事利用と南西諸島の軍事化に反対していこう」と訴えた。
 最後に宮下智行さん(田んぼくらぶ)は、平田誠剛さん(「大震災義援ウシトラ旅団」、元管制塔被告)のメッセージを紹介し、「いわきは、8月8日の水害で大きな被害を受けている。原発からの汚染水海洋投棄反対運動と共に支援していこう」と呼びかけた。
 最後に芝崎眞吾さんの呼び掛けで「第3滑走路建設反対! 空港機能拡大反対! B滑走路の北側延伸やめろ! 横堀農業研修センターの破壊を許さないぞ! 裁判による土地強奪を許さないぞ! 騒音地域の拡大を許さないぞ! 生活・環境破壊をやめろ! 農民追い出し・農業破壊を許さないぞ!」などのシュプレヒコールを行った。
 集会後には、横堀鉄塔に移動し現地調査に移った。(Y)


■横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会
賛同の呼びかけ

 8月2日、成田国際空港会社は三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川秀夫さんなど4人の共有者に対して、反対同盟が芝山町横堀に所有する「横堀農業研修センター」(旧・労農合宿所)の建物を「収去」(撤去)し、土地を明け渡させることを目的にした裁判を千葉地裁に提訴してきました。
 成田空港が進める年間発着容量30万回から50万回への機能強化計画での第3滑走路2028年度完成へ、現空港と第3滑走路(C滑走路)をつなぐ誘導路の結節点の位置にあるのが横堀農業研修センターです。
 これに対して、柳川秀夫さんは「土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのか。もう一本の滑走路が必要なのかと思う。」(8月8日)と批判しています。
 前回の共有地強奪裁判(2009年提訴)の挙句、2017年5月に強制執行で横堀現闘本部を奪った空港会社は、今回の訴状では仮執行を求めるなど、前回以上に拙速な裁判による研修センター強奪の強引かつ早期の決着を目指しています。
 1977年5月、反対同盟、廃港要求宣言の会、三里塚闘争に連帯する会によって横堀の共有地に建てられた旧労農合宿所=横堀農業研修センターを守り抜くために、横堀農業研修センターを支える「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」を立ち上げて、今後の裁判を支えていきたいと思います。
 全国の仲間の皆さんに、横堀農業研修センター裁判への支援と支える会の賛同を呼びかけます。
   2023年9月

支える会呼びかけ人  柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏(順不同、9月13日現在)


◇研修センター裁判を支える会への賛同 1口1000円
郵便振替口座 00130-6-697201  口座名称 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 ※通信欄に「支える会賛同」と明記。氏名公表可か不可か記入ください。

▼連絡先/東京都渋谷区初台1‐50‐4‐103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 TEL03-3372-9408  kyoyu@sanrizuka.net



0 件のコメント:

コメントを投稿