2026年反対同盟旗開き&1.11横堀デモ
2025年6月16日、千葉地裁は横堀農業研修センター裁判で成田空港会社の一方的な主張を認め、被告にされた三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川さんら4人の共有者に対して、センターの共有地の全面的価格賠償方式による強制買収と建物強制撤去を命じる不当判決を出しました(仮執行はつかず)。
![]() |
| 旗開きビラは上記写真をクリック |
2026年反対同盟旗開き&1.11横堀デモ
2025年6月16日、千葉地裁は横堀農業研修センター裁判で成田空港会社の一方的な主張を認め、被告にされた三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川さんら4人の共有者に対して、センターの共有地の全面的価格賠償方式による強制買収と建物強制撤去を命じる不当判決を出しました(仮執行はつかず)。
![]() |
| 旗開きビラは上記写真をクリック |
10月11日、三里塚フィールドワーク2025が行われた。主催は三里塚大地共有運動の会と横堀農業研修センター裁判を支える会。参加者はスタッフを含め33人。東京からの参加者の内、半数近くが初参加だった。
あいにくの雨だったが、東京駅丸の内を8時半過ぎに出発。
東峰に到着し、バスの中から東峰共有地、三里塚物産、東峰神社を見学。
横堀に行く途中で第3滑走路工事が始められた菱田を車内から見た。
木の根ペンションでは、プールを見た後、ペンションで有機野菜弁当の昼食をとり、三里塚物産の落花生が販売された。
大森武徳さん(続木の根物語プロジェクト)は木の根の歴史、プール、ペンション建設、曳家でペンションが現在の場所に移された経過について話した。
「2010年から、子供のころ泳いでたプールの再開に取り組み、2011年20年ぶりにプール開き。その後、プールの中と庭を使って、盆踊り、イベントを行ってきた。音楽イベントには300人集まったことがある。文化的厚みを持たせたい。空港と鉄板1枚隔てた農的生活を体現し、発信していきたい」
昼食後、柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)を訪ねた。
5月に第3滑走路建設工事が本格着工した菱田地区を改めてまわった。中郷・東は滑走路として埋め立てられ、辺田は遊水地で水没する。第3滑走路建設のためには20メートル以上の盛土が必要になる。山口幸夫さんは盛土に福島の汚染土が使われる可能性を指摘している。
菱田では樋ケ守男さんが騒音問題について説明。いまB滑走路は1時間34回離発着。C滑走路ができれば、合わせて倍。全体で年間50万回。計画では飛行機が飛ばないのは午前1時から5時。空港圏全体が不眠になる計画。5%が最初から買収に同意してない。一度移転した中郷、加茂はC滑走路で再移転になる」
第3滑走路南側となる加茂は731部隊・石井四郎の出身地として知られる。
A・B両滑走路に挟まれた「谷間地域」で騒音訴訟原告の話を伺った。団らんの時間でも、航空機騒音でテレビの音もよく聞こえない。騒音測定をしたら、飛行時にはっきりとした違いがある。空港会社が言うスライド方式はデタラメであり、4時間しか寝られないとなったら、様々な健康被害が出ることになる。
最後にトイレ休憩で岩山にある空と大地の歴史館に寄って、東京への帰路についた。
10月11日(土)
午前8時15分集合/東京駅丸の内北口オアゾ前
午前8時30分:東京駅前出発
オープニングでは高橋悦雄さんが「成田空港粉砕」などを歌った。
集会は山崎宏さん(事務局)の司会で、山下一夫さん(事務局)が6月16日の千葉地裁判決を批判。「判決は、強制収用と民事訴訟による土地取上は違うとでっち上げた。全面的価格賠償方式=強制買収の要件の一つは『共有者間の実質的公平を害しないこと』。空港会社の一方的な手紙と提訴は実質的公平を害している。空港会社の土地取上の主張は権利の濫用で、信義則違反。
判決は、訴訟外に任意の協議が開始されて紛争解決が期待できる状況に程遠いから空港会社の強制買収の訴えを認めるとなっている。判決は『協議が尽くされてない』と認めているのだから、もっと『協議』せよというのが論理的帰結ではないか。
判決は緊急性がない誘導路計画を擁護している。だが、この間の報道で予定地の民有地の確保率は3月末で74%にとどまる。不合理な計画をでっちあげているにすぎない。予定地に木の根ペンション、横堀鉄塔がある限り、ワンターミナル構想は実現できない。
機能強化計画の進め方は憲法に違反していると批判していきたい。
判決でも協議が十分でないことは認めている。シンポ・円卓会議の約束という信義則違反についはもっと言っていく必要がある」
鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ)は「判決は、シンポ・円卓会議の結論である滑走路建設で『あらゆる意味で強制的手段をとらない』と最初は書いている。それが途中の16頁から『あらゆる意味で』の7文字が消えている。こういう形でシンポ円卓会議の結果を否定していく手法がとられている。
裁判で空港会社は被告と話をしたのかの立証を求めると、空港会社はホームページの共生の箇所を丸ごと出してきて、関係ない箇所が多く証拠採用されなかった。
被告は、成田の4者協議会(国・県・周辺自治体・空港会社)に住民は参加できないと反論したが。共生について証拠採用されなかったこともあり、4者協議会の中身についての審理は一審では行われなかった。
判決では、空港拡張計画について何の審理もされないまま、4者協議会で合意されているからとなってしまった。これらが控訴審の課題だ」
平野靖識さん(三里塚歴史考証室)は「判決は腹立たしく残念だった。円卓会議での隅谷調査団最終所見の『今後あらゆる意味での強制的手段はとらない』は、今後は住民とは話し合いでという前提があって出された。
しかし、強制的手段とは土地収用法の行政代執行だけだという矮小化が市東裁判やこの裁判で行われてきた。
このような歴史修正主義に対して、真実はこうだと言い続けていく必要がある。
4者協議会が空港のつくり方について何でも決めている。歴史考証室としては4者協議会とは何かを考えて、批判していきたい。
あらゆる意味での強制的手段をとらないという約束は、事業認定20年で収用された地主の買受権がなくなるのだから、89年で事業認定は失効するはずという反対同盟の追及、論戦があって、事業認定取下げ、強制的手段はとらないとなった。話合いで解決と提案したのは旧運輸省。
円卓会議では空港建設計画の地域への公開が提起されたが。4者協は閉じられていて民主的でない。そこを批判していかないと。
シンポ・円卓会議の結論は闘いと犠牲と論戦で民衆が勝ち取った成果。研修センターは誘導路上にあるから必要だという論理は、共生の考え方とは相容れないと主張していく必要がある」
辻和夫さん(事務局)は「センターの資料を整理して、77年開所当時の状況が分かってきた。三里塚闘争に連帯する会と廃港要求宣言の会が労農合宿所を作りたいと反対同盟に申し入れて、名称に三里塚闘争連帯を入れるようにということで、三里塚闘争連帯労農合宿所になった。全国のいろんな人とつながろうと合宿所は設立された。
当時、共有地のある屋敷跡にプレハブを建て、機動隊に壊されないように、常駐者の伊達省二さんが電気もない中、泊っていた。
同5月6日に岩山鉄塔が倒され激しい衝突になるので、前日5日開所の記録がこれまで見つからなかった。5日はささやかな宴を行い、前田俊彦さん、戸村一作委員長らが歌ったり踊って開所を祝った。
その後、激しい実力闘争になるが、その中でも全国から援農のために合宿所に来て、海外からも人々が訪れた。その後も、わくわくツアー・田んぼくらぶなどいろんな人が使ってきた。
空港会社は党派の集まりで、反対運動のために利用しているにすぎない、一坪共有地などどうでもいいという扱い。だが、ここにはいろんな人の思いがこもっていて、それを忘れさせないために裁判を闘っていきたい」
横堀農業研修センター(旧・労農合宿所)裁判の千葉地裁判決が6月16日に出されます(6月16日〈月〉/13時30分集合、14時開廷/千葉地裁601号法廷)。すでに判決当日の裁判傍聴を呼びかけ、判決後の裁判報告集会(千葉県教育会館〈裁判所向い〉)への参加も呼びかけています。判決直後ということで判決分析はおおまかな概要検証にならざるをえません。
◦日時:6月29日(日)13時開始
◦場所:横堀農業研修センター(千葉県山武郡芝山町香山新田125-1)
◦会場への行き方:京成東成田駅地上12時集合(京成成田11:34発~東成田駅11:40到着)
/迎車待機(乗車する方は、事前に「乗車希望」のメール:daichikyoyu@sanrizuka.net か、FAX03-3372-9402を送ってください)
◦主催:横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会
連絡先:一般社団法人三里塚大地共有運動の会(東京都渋谷区初台1-50-4-103
/ 03-3372-9401 FAX 03-3372-9402 / mail:daichikyoyu@sanrizuka.net
6.29横堀農業研修センター裁判判決報告横堀現地集会・デモPDFへ飛ぶ
5月17日「成田空港拡張反対!土地取り上げを許すな!横堀農業研修センター裁判報告集会~6・16判決を前に」が行われた。主催は横堀農業研修センター裁判を支える会。参加者は48人。
被告から柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟)が映像メッセージ。
「どうなるか分からないが、流れとしては6月16日の判決に期待することはできない。2029年度、第3滑走路供用開始は突貫工事をやっても無理。まだ土地を売らない人もいる。飛行機がどんどん飛んでとはならない」
被告の佐藤幸子さん(元合宿所常駐者)は「空港公団・会社はああいうやり方しかできない。かつて決戦に参加した駒井野・天浪は荒野になっている中に団結小屋があった、当時、若い血をたぎらせて戦った。
当時は駒井野・天浪の状況をあんなものだと思ったが。現在の横堀を見ると。重機が入ってきて、どういう人が何をやってきたのかの歴史を一切なくすところにいくつもりだ。
現状は厳しい。あきらめずにぎりぎりの可能性を求めてやっていくしかない。
30年前と比べても地球はガタガタ。この先に人間が楽しく人生を送れる未来が第3空港建設の先に見ることはできない。
あきらめずに意見をたたきつける。声を上げていきたい」
平野靖識さん(三里塚歴史考証室)は昨年11月11日の第4回裁判で証言したことについて「円卓会議の隅谷調査団最終所見での『空港用地取得のためにはあらゆる意味での強制的手段を用いてはならず』の強制的手段とは強制代執行だけではなく、民事裁判、民事執行を含む。そのことを熱田派は88年に認定20年で事業認定は失効するという論戦をしかけてから、論戦の中で明らかにしてきた。
05年のB滑走路延長問題での黒野社長との話し合いを見れば、話し合いがとん挫しても強制的手段は用いられてはならないというのが、『あらゆる意味で強制的手段は用いられてはならない』の正しい理解」
清井礼司弁護士は映像メッセージで、「柳川さん、平野さんの証言が裁判所に対して、それなりに感銘を与えたと自負としては思っている。
控訴審へ言い忘れたこと、言い足りなかったことを早めに書面化し、皆さんに大きく協力を求めてやっていきたい。仮執行宣言がつかなければ最高裁まで強制執行はできない。
日常的に使っていることが見える形で、空港会社・高裁・最高裁に伝わる形で継続していく。日常活動として使うことを心がけていきたい。
平野さんも栁川さんも形式論理ではなく、心に思っていることを語ったことが感銘力を与えた。それで直ちに勝つわけではないが、主張を貫き通し、最大限の抵抗を示した。1日でも長く現場を保持する闘いが必要。
いずれにしろ控訴するので、準備を進めていく。使っていることは急いでもしょうがないということを刻印づける。使っていれば簡単には手を出せない」
山下一夫さん(事務局)が裁判解説で、反対同盟・被告・弁護団の反論として、そもそも土地の位置が特定できてないこと。提訴はシンポ・円卓会議でのあらゆる意味での強制的手段はとらないという約束に反すること。空港会社が主張した研修センターは旗開きでしか使用されてない主張は事実に反すること。空港会社の全面的価格賠償方式を使った共有地強奪は権利濫用であること。滑走路誘導路は計画図のたびに変遷しており、研修センターの土地の強奪に何らの救急性が名がないことを指摘した。
加瀬勉さんから寄せられた「5・17横堀裁判闘争に対する決意表明」を紹介。
休憩時間中におかのまめさんの動画、高橋悦雄の歌「三里塚決戦のプロロ-グ」。
後半で山口幸夫さん(三里塚大地共有運動の会)は「71年9・16東峰事件の当時、東大の教室の一部に当局は入れなかった。当時、環境問題という言葉はなかった。
50年以上が経ち、問題はさらに悪化してきた。本当に先が見えない。
ベトナム反戦闘争、大学闘争、反公害をひっくるめて考えたのは、工業化社会の行く末は分かっている。便利であることはいいことか。別の表現では、能率的であることはいいことか。速さを尊ぶ考え方はいいことなのか。
農業は時間をコントロールすることができない。時間の流れを変えて、それを進歩したという考え方は基本的間違い。
76年9月にワンパック野菜が始まった。その頃の三里塚青年行動隊がどうやってこれからやっていこうか、真摯な議論を積み重ねられた結果。
この社会で時間は能率と表現される。ノロノロやっていると、学校の先生は怒る。日本人は能率主義を貴ぶように育てられてきた。
効率という言葉は、一般には間違って使われているが、時間がかかっても、できるだけエネルギーを使わないようにして仕事を仕上げる。三里塚の百姓仕事を見ると、今年の天候・雨量が重要。空港とはまったく相いれない存在。裁判で柳川さんが環境問題という言葉を使った。公害は悪者が決まっている。環境問題は一人一人が関係している。
14年前、福島原発事故の時、郡山の人が“ふるさとを 怒りとともに避難する 何も わりごどしてもねえのに”と歌を詠んだ。
日本近代化が資源獲得と軍事、速さを獲獲する工業化社会へ向けて150年間やってきた。それが「わりごど」の中身。三里塚闘争に参加した人は皆農民の味方をした。農こそが大事だと異議申し立てをした。その後、日本・世界の工業化はどんどん進んだ。一人一人が責任を持つ事態になったのが、柳川さんが言う環境問題。
速いことはいいことか。私も、私の友人も成田空港は使わない。
現代、環境問題と無関係なことはない。ほどほどにが環境問題を考える基本的な理念。時間はほどほどにかける。エネルギーはなるべく使わない。
今強制代執行はできない。第3滑走路はできないのではないか。やる気があれば、福島の汚染土を持ってくるということをやると思う。国家官僚は責任をとらない。
きちんと考えないと今後の道を誤る」
辻和夫さん(事務局)が用地の8割しか確保してないにもかかわらず強引に進められる 第3滑走路工事の現状について報告。
「更なる機能強化で空港敷地は2297ヘクタールに倍増。C滑走路新設、B滑走路延伸、新誘導路(7471メートル)新設が計画されている。
空港会社は『新しい成田空港』構想検討会を9回開催。24年7月国交省に報告。国交省は『今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会』は昨年9月から開催中。主な内容は横堀、木の根への統合した旅客ターミナル新設、貨物ターミナルの一鍬田、中谷津地区への新設、空港アクセス強化からなる。
拡張用地の2割は未買収。空港会社は5月に国交省と用地確保対策本部を発足。
5月から滑走路本格着工だが、C滑走路南側造成工事(その1)と同北側造成工事は今年3月に契約。工事は遅れている様子」
大森武徳さん(木の根)は「木の根プールを再開して14年。昨年プールの補修をした。今年も8月プール開きに向けて7月に作業する。
太陽光パネルを設置しているが、蓄電することで東電と手を切りたい。
野外の映画祭の準備を進めている。そして、イベントの時には5、6人の希望者を募ってプチ戦跡巡りツアーを行っている。
成田市学校給食への地域の有機野菜を使用する取り組みを進めている」
最後に行動提起で、6・16判決傍聴行動、6月7日研修センター整理作業、6月29日裁判報告現地集会・デモの呼びかけが行われた。
▼裁判判決報告横堀現地集会・デモ6月29日(日)
/横堀農業研修センター/午後1時開始/午後2時半・デモ
連絡先/東京都渋谷区初台1‐50‐4‐103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 TEL03-3372-9408 daichikyoyu@sanrizuka.net
支える会呼びかけ人 柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏
賛同人 旭凡太郎/天野隆/伊藤康也/伊東利一/岩見千丈/鵜飼哲/大嶋薫/大杉美矢子/太田敏之/大戸良一/大森孝子/大森万蔵/尾形淳/岡野純一/おかのまめ/小川幸子/沖幸典/尾沢孝司/小原吉苗/笠原直子/加藤敬/加藤登/河合成彦/河口卓/菊池薫/北川靖一郎/北沢啓/木根輝雄/木村晋治/桐谷敏弘/久下格/小泉英政/小林葉子/小松義久/金靖郎/斎藤郁夫/斎藤秀紀/佐藤隆/佐藤保/里見格二/佐橋京四郎/重松朋宏/繁山達郎/篠崎勉/芝崎真吾/柴垣顕郎/渋谷けい子/杉原浩司/鈴木宏一/鈴木駿平/須田剛/関原靖郎/大道寺毅/高木久仁子/田島義夫/田中一昭/田中孝征/辻和夫/内藤秀之/直井由美子/中川義裕/中路良一/中村勝己/中村光一/名古屋哲一/西チヱ子/西村隆年/西村光子/林敏秋/はららん/板東正夫/広畑貞昭/福田茂/福田崇/前田道彦/松丸健二/光本一郎/光吉準/宮崎良子/宮下智行/宮部彰/宮本修/三輪喜久治/茂住衛/森本浩文/谷島修一/山田雅美/山近勉/山辺一哉/山本文子/山本将嗣/山脇ひろし/湯沢優子/吉田晃/吉田和雄/脇義重/和田賢二/連帯社/労働運動活動者評議会/労働者共闘+非公表176人 (2025年2月28日現在)
◇裁判への支援・カンパを
研修センター裁判を支える会への賛同 1口1000円
郵便振替口座 00130-6-697201 口座名称 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 ※通信欄に「支える会賛同又は裁判カンパ」と明記。氏名公表可か不可か記入ください。
~6・16判決を前に
■日時 5月17日(土)午後1時開場、午後1時30分開始
■会場 東京・文京区民センター2A(春日駅)
■資料代 500円
◇プログラム(変更の場合あり)
■裁判報告 清井礼司弁護士
■メッセージ 柳川秀夫さん(被告、三里塚芝山連合空港反対同盟)
■被告から
■裁判証言で訴えたこと 平野靖識さん(三里塚歴史考証室)
■空港と環境問題 山口幸夫さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)
横堀農業研修センター(旧・労農合宿所)裁判の千葉地裁判決が6月16日に出されます。横堀農業研修センター強奪・撤去のための裁判を成田国際空港会社が千葉地裁に提訴して1年半。被告とされた柳川秀夫さんら共有者と三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)は共有地に建てられた旧労農合宿所=横堀農業研修センターを守り抜くため、裁判を闘ってきました。
裁判では被告側は「温暖化を押し進めるようなことをなぜやるのか。もう一本の滑走路が必要なのか」と空港拡張という巨大開発よりも自然を維持する空港反対の意義、シンポ・円卓会議での今後空港建設で「あらゆる意味で強制的手段をとらない」という国・空港公団の約束に提訴は反すること、共有地の位置が特定されてないことなど、空港会社の主張の問題点を明らかにしてきました。
だが、29年3月成田第3滑走路完成のために共有地強制買収、研修センター撤去が必要だとする成田空港会社は、被告側の反論にまともに答えることなく、仮執行宣言を含む強制撤去判決による横堀農業研修センターの破壊・強奪を目指しています。
地裁判決に向けて裁判争点を学習する「成田空港拡張反対!土地取り上げを許すな!裁判報告集会」を5月17日に行います。
▼横堀農業研修センター裁判判決傍聴行動
6月16日(月)/午後1時30分集合、開廷午後2時/千葉地方裁判所601号法廷
▼裁判判決報告横堀現地集会・デモ6月29日(日)
/横堀農業研修センター/午後1時開始/午後2時半・デモ
主催 横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会
連絡先/東京都渋谷区初台1‐50‐4‐103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 TEL03-3372-9408 daichikyoyu@sanrizuka.net
支える会呼びかけ人 柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏
賛同人 旭凡太郎/天野隆/伊藤康也/伊東利一/岩見千丈/鵜飼哲/大嶋薫/大杉美矢子/太田敏之/大戸良一/大森孝子/大森万蔵/尾形淳/岡野純一/おかのまめ/小川幸子/沖幸典/尾沢孝司/小原吉苗/笠原直子/加藤敬/加藤登/河合成彦/河口卓/菊池薫/北川靖一郎/北沢啓/木根輝雄/木村晋治/桐谷敏弘/久下格/小泉英政/小林葉子/小松義久/金靖郎/斎藤郁夫/斎藤秀紀/佐藤隆/佐藤保/里見格二/佐橋京四郎/重松朋宏/繁山達郎/篠崎勉/芝崎真吾/柴垣顕郎/渋谷けい子/杉原浩司/鈴木宏一/鈴木駿平/須田剛/関原靖郎/大道寺毅/高木久仁子/田島義夫/田中一昭/田中孝征/辻和夫/内藤秀之/直井由美子/中川義裕/中路良一/中村勝己/中村光一/名古屋哲一/西チヱ子/西村隆年/西村光子/林敏秋/はららん/板東正夫/広畑貞昭/福田茂/福田崇/前田道彦/松丸健二/光本一郎/光吉準/宮崎良子/宮下智行/宮部彰/宮本修/三輪喜久治/茂住衛/森本浩文/谷島修一/山田雅美/山近勉/山辺一哉/山本文子/山本将嗣/山脇ひろし/湯沢優子/吉田晃/吉田和雄/脇義重/和田賢二/連帯社/労働運動活動者評議会/労働者共闘+非公表176人 (2025年2月28日現在)
◇裁判への支援・カンパを
研修センター裁判を支える会への賛同 1口1000円
郵便振替口座 00130-6-697201 口座名称 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 ※通信欄に「支える会賛同又は裁判カンパ」と明記。氏名公表可か不可か記入ください。
![]() |
| 「横堀裁判判決前集会.pdf」右のアドレスをクリックして下さい! |
https://drive.google.com/file/d/1Y9nEb18Fm4c2ZXLTYq8HFbXjkjBrX1Cf/view?usp=sharing
一般社団法人三里塚大地共有運動の会
三里塚に心をよせる皆さん。登記変更カンパへの協力を呼びかけます。
2025年は三里塚大地共有運動の会が三里塚大地共有委員会Ⅱの運動を受け継いで法人化し活動を開始してから7年となります。
29年3月完成を掲げて暴走する第3滑走路建設をはじめとする成田空港機能強化計画。その一環としての横堀農業研修センター破壊裁判(23年8月提訴)と連動し、共有地強奪につながる所有者不明土地対策立法、共有地相続による共有分散化による買収・取得の危険が高まってきます。
既に登記義務化法=改定民法・不動産登記法(21年制定)が24年4月から順次施行されてきています。
さらに相続人が判らない土地について、これまでは買収側が何年もかけて権利者を探していたのが、公共事業に関しては法務局が民間事業者に代わって、わずか数日で調査代行する制度がつくられようとしています(24年12月22日、日本経済新聞)。登記義務化と所有者不明土地対策法制によって、相続・転居の登記変更をしない共有者の権利を取り上げる制度が確立されようとしています。
これに対して、大地共有運動の会は全国の共有者から会への登記変更、共有地の管理を進め、24年11月までに木の根・東峰の共有者173人分の共有運動の会への登記変更を完了しました。なお、第5回総会で提起した共有運動の会の木の根共有地の持ち分比率を成田空港会社・芝山鉄道会社の持ち分を超える18%以上にする目標に関しては、司法書士の交代があったために遅れていますが、今春達成の見込みです。
登記変更では、司法書士による法務局への手続代行費用については会が負担することとし、昨年7月までの160人強の登記変更費用(司法書士及び登記の費用、書類取得等)約600万円は、これまで協力いただいた登記変更カンパと会費からで賄いました。
登記義務化施行に対抗して、共有運動の会では手続を依頼する司法書士を増やし、来年には登記変更について一定のめどをつけたいと考えています。
手続き中及び希望を受け付けている登記変更に関して、会の現在のストックを差し引いて、250万円が必要となる見込みです。
既に横堀農業研修センター裁判カンパも含めて協力いただいている方も多いと思いますが、可能でしたら、登記変更カンパに協力をお願いします。
横堀農業研修センター裁判と第3滑走路反対の闘いに連帯し、三里塚の共有地を守る闘いを進めていきましょう。
2025年1月
カンパ送り先 郵便振替口座 00130-6-697201
口座名 一般社団法人三里塚大地共有運動の会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 ℡03-3372-9408
https://drive.google.com/file/d/1IPxK7LlPlbRH28z9k8jxHciQxM_Womh4/view?usp=sharing
横堀農業研修センター判決
2025年6月16日(月)/千葉地方裁判所 午後1時30分集合(予定)、開廷午後2時/千葉地方裁判所601号法廷
裁判報告集会/閉廷後、千葉県教育会館(裁判所向い)
連絡先:横堀農業研修センター裁判を支える会
東京都渋谷区初台1-50-4-103 tel:03-3372-9408
成田国際空港会社は三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と柳川秀夫さんなど4人の共有者に対して、反対同盟が芝山町横堀に所有する「横堀農業研修センター」(旧・労農合宿所)の建物を「収去」(撤去)し、土地を明け渡させることを目的に千葉地裁に提訴してきました(23年8月2日)。
25年2月17日、千葉地裁は第5回で裁判を結審。6月16日を判決日に指定してきました。
成田空港が進める年間発着容量30万回から50万回への機能強化計画での第3滑走路2028年度完成へ、現空港と第3滑走路(C滑走路)をつなぐ誘導路の結節点の位置にあるのが横堀農業研修センターです。
1977年5月、反対同盟、廃港要求宣言の会、三里塚闘争に連帯する会によって横堀の共有地に建てられた旧労農合宿所=横堀農業研修センターを守り抜くために、横堀農業研修センターを支える「横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会」が立ち上げられ、裁判を支えています。
被告・柳川秀夫さんの裁判証言(24年11月11日証人尋問)は、空港拡張という巨大開発よりも自然を維持するという地球温暖化に直面する現在での空港反対の意義を明らかにするものでした。平野靖識さん(三里塚歴史考証室)の証言(同)は、90年代のシンポ・円卓会議での今後空港建設で「あらゆる強制的手段をとらない」という国・空港公団の約束に、今回の提訴は反することを明らかにしました。
成田空港会社は裁判で共有地強奪・破壊判決を求めるにとどまらず、確定前の強制執行を認める仮執行を求めています。被告-三里塚の闘いに連帯し、6・16判決傍聴に集まろう。 (2025年2月)
▼横堀農業研修センター裁判報告集会 5月17日(土)午後/文京区民センター
(スローガン)
成田空港はTDL20コの田畑山林をつぶすのか
支える会呼びかけ人 柳川秀夫/鎌田慧/平野靖識/大森武徳/山口幸夫/白川真澄/高見圭司/中川憲一/野島美香/鈴村多賀志/渡邉充春/藤川泰志/根本博/山崎宏
賛同人 旭凡太郎/天野隆/伊藤康也/伊東利一/岩見千丈/大嶋薫/大杉美矢子/太田敏之/大戸良一/大森孝子/大森万蔵/尾形淳/岡野純一/おかのまめ/小川幸子/沖幸典/尾沢孝司/小原吉苗/笠原直子/加藤敬/加藤登/河合成彦/河口卓/菊池薫/北川靖一郎/北沢啓/木根輝雄/木村晋治/桐谷敏弘/久下格/小泉英政/小林葉子/小松義久/金靖郎/斎藤郁夫/斎藤秀紀/佐藤隆/佐藤保/里見格二/佐橋京四郎/重松朋宏/繁山達郎/篠崎勉/芝崎真吾/柴垣顕郎/渋谷けい子/杉原浩司/鈴木宏一/鈴木駿平/須田剛/関原靖郎/大道寺毅/高木久仁子/田島義夫/田中一昭/田中孝征/辻和夫/内藤秀之/直井由美子/中川義裕/中路良一/中村勝己/中村光一/名古屋哲一/西チヱ子/西村隆年/西村光子/林敏秋/はららん/板東正夫/広畑貞昭/福田茂/福田崇/前田道彦/松丸健二/光本一郎/光吉準/宮崎良子/宮下智行/宮部彰/宮本修/三輪喜久治/茂住衛/森本浩文/谷島修一/山田雅美/山近勉/山辺一哉/山本文子/山本将嗣/山脇ひろし/湯沢優子/吉田晃/吉田和雄/脇義重/和田賢二/連帯社/労働運動活動者評議会/労働者共闘+非公表176人 (2025年1月21日現在)
◇研修センター裁判を支える会への賛同 1口1000円
郵便振替口座 00130-6-697201 口座名称 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 ※通信欄に「支える会賛同」又は「裁判カンパ」と明記。氏名公表可か不可の記入を。
▼連絡先/東京都渋谷区初台1‐50‐4‐103 一般社団法人三里塚大地共有運動の会 TEL03-3372-9408
2月17日、第5回裁判傍聴行動
2月17日、横堀農業研修センター裁判の第5回裁判傍聴行動が行われた。
閉廷後、千葉県教育会館で裁判報告集会。43人が参加。
集会では、この日の裁判について、清井弁護士と司会の辻和夫さんから説明。
被告の柳川さんは「今日は大勢遠くから来てもらって。裁判というのは意味があるのかというのを改めて考えた。いつ判決になるのか。夏前には方向が見えてくるのは間違いない。そこからどうするのか。
私の考えでは、筍の時期はあそこで筍が見たいなというのが願望。今の菱田の現状を見ると、工事がどんどん入っていて、ダンプもどんどん行き交っている。昔の状況の再現で、深く考えることがある。そんな状況の中でできる限りのことを最大限やろうと考えている」
被告の佐藤さんは「私もようやく被告としての自覚が出てきたら、もう終わりかいというのがないわけではない。柳川さんと同じで三里塚には通っているが、多くは筍掘り。三里塚の自然を満喫することを楽しみにしてきた。今展開されつつある景横堀農業研修センター裁判が結審 2月17日、第5回裁判傍聴行動色は本当に見たくない。また繰り返しだ。本当にできることをやるしかない。最後まで一緒に」
続いて、裁判の内容・見通しについての質疑応答。
横堀壁画についての陳述書を出した鈴村多賀志さん。第3滑走工事の現状について辻さんが報告。岡野純一さん、たじまよしおさん、関西の渡邉充春さん、根本博さん、4月13日の横堀花見について中川憲一さんが発言。
空港会社は今回、確定判決前に強制執行ができる仮執行を認めるように求めている。判決に向けて裁判報告集会(日程未定)など現地の取り組みが行われる。
--
一般社団法人三里塚大地共有運動の会
東京都渋谷区初台1-50-4-103
TEL03-3372-9408 FAX03-3372-9402
https://kyouyu-undou-no-kai.blogspot.com
daichikyoyu@sanrizuka.net
三里塚芝山連合空港反対同盟 (代表世話人・柳川秀夫)は、1月12日、横堀農業研修センターで「2025反対同盟旗開き」を行い37人が参加した。
横堀農業研修センター裁判に勝利しよう
国土交通省は、成田空港の年間発着枠の上限について現在の30万回から34万回に拡大する方針をぶち上げようとしている。朝日新聞(25・1・11)によれば①2本の滑走路の発着時間帯は変更しない。現在の発着時間帯は(午前6時~午前0時、午前6時~午後11時)。②発着枠は朝と夕方を中心に過密運航を強行するという計画だ。すでに成田国際空港会社は離着陸制限(カーフュー)内運航を掲げ弾力的運用と称してA滑走路が24時から24時30分まで、B滑走路は23時から24時まで引き延ばしてきた。つまり、これからもなしくずし的に離着陸時間延長を狙っている。
石破政権は、2025年度予算案で成田空港の第3滑走路新設、第2滑走路延伸機能強化などに159億円を計上し、空港会社に対するバックアップだ。
田村明比古・成田国際空港社長は、成田空港の機能強化を拡大し、無制限の騒音・環境破壊を行っているにもかかわらず、さらに29年3月を目標とする機能強化を「世界の航空需要を確実に取り込み、収益機会を拡大することが重要」「関係者の理解と協力を得て、実現に向けた道筋を明らかにしていく」と宣言している。 この間、空港会社はあせりに満ちた金儲け主義にひた走る姿を前面に押し出している。「成田空港、4月~9月純利益5・3倍」(日経24・11・29)と明らかにしたが、「空港運営事業は30億円の営業損失」「5期連続の赤字」を深刻に認めざるをえなかった。この危機意識は、千葉県も先取りして「成田空港の国際線ネットワークの充実・強化等に関する申入れについて」(24年9月1日)で「アジアの主要空港間の競争は激化しており」、「成田空港のグローバルハブ空港としての地位は低下し、ひいては我が国の国際競争力が損なわれることとなりかねない」という危機意識に現れていた。
これが空港会社が追い込まれている実態なのだ。このような成田国際空港会社の暴走に対し真っ向から対峙しているのが横堀農業研修センター、横堀鉄塔と案山子亭、木の根ペンションとプールだ。空港会社は、23年8月2日、横堀農業研修センターの建物を撤去し、土地を強奪するために三里塚反対同盟と共有者を千葉地裁に提訴した。
反対同盟は、この不当な攻撃に対して「横堀農業研修センターの裁判による破壊・土地強奪を許すな!成田第3滑走路反対!」のスローガンを掲げ、裁判闘争を闘っている。さらに横堀農業研修センター裁判を支える会は、「ストップ!温暖化 成田空港は(東京ディズニーランド20コ分!)田畑山林をつぶすのか」と反論し、全国の仲間たちによびかけ、246個人・団体で会を起ち上げ、支援の取り組みを行っている。第5回口頭弁論(2月17日(月)/千葉地裁601号法廷)に向けてあらためて裁判闘争勝利に向けて意志一致した。
柳川さんの発言
会場内には、壁画運動の作品、たじまよしおさんの絵画なども展示されている。恒例のトン汁と成田野菜弁当が配膳された。
山崎宏さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)の司会で旗開きが始まった。
柳川さんは次のように発言した。
「空港会社は第3滑走路を作ろうという魂胆のもとでここを取り払おうと裁判になっている。いつ攻防が激しくなるかわからないが間近に迫っている。周辺は工事用道路の建設をはじめている。まだ全部の買収がすんでいるわけではないので動きはまだまだ。横堀は明治の開墾だ。1960年代は、作物は落花生、さと芋、麦などを作っていた」。
「闘争当初は、家族ぐるみで反対運動を取り組んだ。毎日ドラム缶が鳴った。空港公団が来ればみんなで闘った。昔は米、味噌、たくわんがあれば生きていけた。みんなおカネに執着することはなかった。助け合って生きていたから団結が生まれ、多くの人が空港に反対した。芝山と三里塚の連合で反対同盟を作った。今は便利な社会になって人間関係が薄くなっている。助け合うことがなくなっていった。まだ代執行のころは助け合って頑張れた」。
「バブルが崩壊し、おカネの価値観によって個人の暮らしのウェイトが重くなっていった。1990年代、政府と話合いをした。ここに空港をもってきたこと、権力を動員し、力で強行したことを国は謝った。憤慨した人達は、おさまった。ただ一方で闘ってきた価値観の追求ができてきた。世の中の在り方について三里塚では課題となった。物質文明に対するもうひとつの持続的な価値観が三里塚の長い闘いの中で明らかになってきた。どのように人間が介在するか。国のやり方に憤慨するだけでは乗り切れない。皆さんがいるので心強い。これからの荒波があるが頑張っていきたい」。
メッセージの紹介
平野靖識さん(三里塚歴史考証室)のメッセージ
「モンスター化する成田空港/これ以上の騒音被害・環境破壊を止めよう
人口減少の問題は成田空港の機能強化でも影を落とします。成田空港は3万5千人の従業者がいるとのことですが、機能強化後にはさらに3万5千人の従業者が必要といわれています。空港会社やエアラインではこの人手をどう確保するかにいまから懸命な努力をしています。小中学生をイベントや職場見学に招いたり、高校の就職担当教員を集めて卒業生に空港の職場を紹介してくれと説明会を開催するなどです。空港会社では雇用の創出を機能強化のプラス効果のように宣伝しますが、逆に地域から見るとそれだけのエッセンシャル・ワーカーが空港に奪われることでマイナスとみるべきです。他地域からの定住移住者が増えれば地域が潤うという宣伝もありますが、それも結局は周辺他地域のエッセンシャルワーカーを奪うことに他なりません。
正月明けの報道では、10月から成田離発着の枠が現・年30万回から34万回に拡大するとのことです。空港会社が周辺市町村に説明を始めたが特に異論はなく、地元市町村への説明の後4者協議会に報告するとの報道内容です。一番の関係人である騒音直下の住民に対する説明、意見聴取は一顧だにされず、被害当事者住民を無視した非民主的な決定であるといわざるを得ません。
1990年代前半に行われた成田空港問題シンポジウムと同円卓会議の結論では、成田空港の運営は「共生懇談会」の公正な監視のもと空港のマイナス面を引き受ける住民の声を反映して進めることとしました。この「共生懇談会」はのち共生委員会として1995年から 年まで存在したのですが2011年1月に活動をやめました。それ以後空港の運営・機能強化は何の制約を受けることなく、騒音などの被害住民の負託を受けたわけでない、4者協なる空港拡張推進組織によって非公開・住民排除で進められてきています。
4者協議会:国、千葉県、空港会社 空港周辺の9市町
千葉県は昨年末に、物流に加え、航空・宇宙、健康・医療、観光など6分野で農地転用が可能になる開発の「重点促進区域」を策定しました。成田空港はモンスター化して地域をむしばんでいます。
一見抗いがたく見える機能強化の動きですが、騒音被害住民から夜間飛行差し止めの裁判が起され、本来の議論の第1歩が法廷から始められました。 注目し、応援しましょう。
モンスター化する成田空港。これ以上の騒音被害・環境破壊を止めましょう。」
大森武徳さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会/続・木の根物語プロジェクト)のメッセージ
「三里塚闘争、また木の根についてはSNSやイベントを通じて比較的若年層にも通じるように発信して来ましたが、新しく興味を持つ方、フォロワーになる方が毎月10人ずつくらいのペースで増えております。
また今年も木の根ペンションにて様々なイベントを企画して行く中で、特に興味を持ってくれている方々に向けて、300インチ程度のスクリーン(3・7m×6・6m)で小川プロダクション映画の上映会と小さなマルシェを組み合わせたイベントを実施したいと考えております。その際、上映中に同時解説出来る方がいらっしゃればと面白いなととも考えております。
今まで子どもの頃、見聞きして感じた闘争と、今現在に続くこの問題について感じていることをイベント参加者に伝えるスタイルができましたが、折角来てくれた方々にもっと深く知ってもらいたいという気持ちは変わらず持ち続けています。イベントを通じて常に新しい挑戦をしていく。共有地の姿を発信することで、三里塚闘争に興味関心をもつ人々の裾野を広げていくことに貢献出来ればと思います。
地道ですが木の根や共有地について大切に思う人、理解を持つ人々も増えてきました。かつての数万人の若者が結集した時代にはとても及びませんが、人々が集まることで新しい動き、新しいアイデアに繋がっていく期待を込めても引き続き補修や掃除を継続していきたいと思います。」
連帯アピール
続いて、連帯アピールが次々と行われた。
根本博さん(南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会)は、「宮古島、石垣島、与那国、奄美大島、種子島、馬毛島など仲間たちとともに大阪で自衛隊配備に反対する取り組みを行ってきた。南西諸島への自衛隊配備にとどまらず全国化している。成田空港をつぶすとともに戦争態勢を止めていかなければならない」とアピール。
渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会、三里塚相談会)は、大阪での三里塚大地共有運動の会の一坪共有地登記移転の取り組み、「2025関西三里塚闘争旗開き&大地共有運動報告会」(1月26日(日)/尼崎中小企業センター/午後2時)を紹介した。
たじまよしおさん(画家/東京・東久留米)は、この間、製作した絵画・グラフィック作品を持参し展示したことを報告し、今後の闘いの豊富化を語った。
松本和史さん(田んぼくらぶ)は、「亡くなった横山晋さんは山谷越冬に向けて三里塚の野菜を運んでいた。横山さんの遺志を引継ぎ今回は、柳川さんの野菜を山谷に運び、山谷の仲間たちと交流を深めた」と報告。
辻和夫さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会事務局)は、①横堀農業研修センター裁判の取り組みと争点 ②成田空港第3滑走路と機能拡張計画について報告した。さらに「空港会社は木の根から横堀にかけて新しいターミナル建設を狙っている。その中に横堀農業研修センター、横堀鉄塔と案山子亭が存在している。空港会社は財政なども含めて自力で進めることができないので『国家プロジェクト』として政府に圧力をかけている。34万回の離発着を言い出しているが、従業員の人手不足と確保、環境破壊、農業破壊など様々な矛盾を抱えているのが実態だ」と述べた。
繁山達郎事務局長(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は、①一坪共有地登記変更は、木の根と東峰合わせて173人の登記変更が完了した。木の根プールは、17・98%の土地が芝山鉄道会社と空港会社が持っている。もう少しで共有運動の会が18%を超えるところにきた。②登記義務化によって登記しないと権利を失ってしまう。今後も移転登記の取り組みを強めていきたい。登記費用カンパを呼びかけた。
今年の埼玉植樹祭反対の取り組みをしている仲間は、「天皇制の強化と環境破壊のための植樹祭の本質を許さず、反対の取り組みに参加してください」と呼びかけた。
杉原浩司さん(武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表)は、「平和運動、パレスチナ連帯の取り組みを行ってきた。若い人達もかなり動いている。だが虐殺を止めることができていない。今年は敵基地攻撃兵器ミサイルが配備される。死の商人国家へと変貌しつつある。三里塚拠点を守っていきたい」と訴えた。
佐藤幸子さん(横堀農業研修センター裁判被告)は、「かつてここで暮らしていた。空白期間が長いが、この間の栁川さん、平野さんの陳述によって、三里塚59年の闘いがとっても大事だとあらためて認識した。やりたい放題の空港会社を許さず、未来に向けて次の世代に自信をもって故郷を、地球を伝えていきたい」と発言した。
最後に芝崎真吾さん(連帯社)の団結ガンバローで闘うスクラムを打ち固めた。
1・12東峰現地行動
旗開き終了後、1・12東峰現地行動(主催:三里塚空港に反対する連絡会 共催:三里塚大地共有運動の会/旧東峰共同出荷跡)が行われた。開拓組合道路から成田空港滑走路に向けて抗議のシュプレヒコールを響かせた。
(Y)
12月15日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会は第7回総会を横堀農業研修センターで開いた。
総会前に横堀農業研修センター破壊裁判の原因である成田機能強化・第3滑走路建設の現状について事務局から報告。
総会は山口幸夫代表理事の開会宣言、議長で議事が進められた。総会は過半数の出席(委任状含む)で成立。
渡邉充春理事から総会議案の報告・提案、中川憲一監事の監査報告が行われた。
途中、平野靖識さん(三里塚物産)から現地報告。
「柳川さんからは『出荷でいけないので、よろしく言ってくれ』『今まで通りがんばっていると伝えてくれ』と伝言された。
三里塚物産は支援として入ってきたが、元反対同盟から土地を譲られて土地所有者になった。三里塚物産の隣の東峰共有地がある。研修センター裁判も自分事と考えて参加していきたい」
議論では、登記変更、今年死去した会員の紹介、南西諸島軍事化に反対する運動の報告などが行われた。
採決で総会議案が全会一致で可決・承認された。
休憩中の理事会では、山口幸夫代表理事が引き続き代表理事に選任された。
山口代表理事は「先日、研究会で石垣島に行ったが、若い自衛官が島内を行き来し、戦争の影がひたひたとある状況。一方で三里塚も原発でも、若い世代とのつながりの芽が出てきている」
総会の最後に大森武徳理事は「木の根も横堀も共有地に若い人が来れば、なぜ残っているのか、歴史を学ぶし、肌で感じる。一握りの若者でも興味を持ってくれたら、三里塚から身近な社会問題に目を向けるきっかけになる。そういう場として細く長く共有地を維持できればと思う」と閉会あいさつ。
終了後、有志で柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)を訪問。
成田空港会社の動き、横堀農業研修センター裁判などについて話した。