一般社団法人三里塚大地共有運動の会(山口幸夫代表理事)
これまでは財産権の保障を定めた憲法の下、土地登記は権利であり、所有者・相続人が相続・住所移転の登記をしてなくとも、土地の所有権・共有権が失われることはありませんでした。今回登記をしなければ、土地・共有地が奪われる制度へと根本から変更されました。通常国会には基地周辺・国境離島の住民の財産権を制限し、国家による思想調査を合法化する「重要土地規制法案」が上程されていますが、国家の「公共性」が住民の人権・財産権よりも優先されている点で共通です。
改定法は、土地を相続した相続人に取得を知った日から3年以内の相続登記の申請を義務化。罰則として過料10万円以下。転居に伴う住所変更でも、2年以内の変更登記の申請を義務づけ、違反すれば過料5万円以下となります。
今回の登記義務化法は所有者不明土地対策を名目にした所有者不明土地利用円滑化特別措置法(18年6月)、表題部所有者不明土地の登記・管理適正化法(19年5月)に続く法制化です。一連の所有者不明土地対策立法によって、公共工事の所有者不明土地収用について収用委員会の関与をなくし、知事の判断だけで収用裁決ができる制度改悪が行われました。さらに所有者不明の土地・共有地については、裁判所が管理人を選任。不明者への公告、代金の供託をして管理者から買収できる制度になりました。「所有者不明土地」を確実に取り上げられるようにする内容です。
今回の登記義務化に対しては、法律家(※)からも、「民法の原則に反する」「所有者不明土地問題の解消を更に困難にする」「相続人のプライバシー侵害にあたる」などの反対意見が出されましたが、まともな議論もないまま、3月5日閣議決定から、4月1日衆院通過、衆参全会一致という拙速審議で成立。2~3年後には施行されようとしています。
私たち三里塚大地共有運動の会は、相続登記・住所変更登記をしない共有地を奪う登記義務化法に反対し、三里塚闘争として55年間続いてきた三里塚大地共有運動の共有地を全国の仲間と共に守り抜く闘いを続けていきます。 (2021年4月)
(※)相続登記の義務化等に反対する会長声明(全国青年司法書士協議会)
http://www.zenseishi.com/opinion/2021-02-25-01.html
一般社団法人三里塚大地共有運動の会(山口幸夫代表理事)
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