2019年2月9日土曜日

一般社団法人三里塚大地共有運動の会 第1号 2018.12.28


 【12.2集会写真】

一坪共有運動を継承し発展させよう
「一般社団法人三里塚大地共有運動の会」を設立(2018.10.28)

 三里塚一坪共有者の皆さん、三里塚に連帯する仲間の皆さん。一般社団法人三里塚大地共有運動の会の設立を報告します。
 1966年、三里塚闘争開始後直ぐに、三里塚芝山連合空港反対同盟によって一坪共有運動は開始され、日本国家の強権的な空港建設と闘ってきました。83年からは、再共有化運動が取り組まれ、再共有化を「土地売り」と中傷する北原派支援党派による共有者への襲撃・妨害を受けたものの、共有地を守り、三里塚農民に連帯してきました。
 だが、この10年間、空港会社は「空港建設で強制的手段はとらない」というシンポ・円卓会議での確認を反故にし、裁判による強制買収で横堀現闘本部など一部の共有地を奪ってきました。
 また、再共有化開始から既に35年の月日が経ち、物故した共有者も少なくない状況となってきました。
 2018年3月、成田空港四者協議会(国交省・千葉県・成田国際空港会社・周辺9市町)は成田機能強化を決定。芝山町への3000メートルの第3滑走路の建設、B滑走路の500メートル延伸、夜間発着制限大幅緩和の方針を打ち出しました。
 これらの事態を受けて、加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会Ⅱ代表)、柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)から、三里塚共有運動の法人化、法人への登記変更の呼びかけが出されました。(4頁に掲載)
 2018年10月28日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会の設立総会が開かれ、法人代表理事には山口幸夫さん、理事には渡邉充春さん、大森武徳さん、監事には島田清作さんが就任しました。11月に法務局での登記手続きが完了。一般社団法人三里塚大地共有運動の会への発展を受けて、加瀬勉さんは大地共有委員会代表を辞任しました。
 一般社団法人三里塚大地共有運動の会は法人定款で、「当法人は,会員が三里塚闘争に連帯し,三里塚大地共有運動を継承し発展させることを目的とする。」と、目的を規定しています。
 法人事業としては、定款で「(1)会員から譲渡を受けた土地の管理 (2)三里塚闘争への支援 (3)三里塚闘争・成田空港問題についての啓発・宣伝 (4)会員間の交流,各地の空港反対運動との交流 (5)前各号に附帯関連する一切の事業」を目的達成のために行う法人事業としています。
 全国の共有者、仲間の皆さん。一般社団法人三里塚大地共有運動の会への参加、法人への登記変更、共有者調査、カンパなど協力を訴えます。(詳しくはQ&A、調査票などを参照ください。)
 もし、今後、国・成田空港会社が共有地強奪に動くならば、三里塚大地共有運動の会は、法人の目的にある通り、「三里塚闘争に連帯し,三里塚大地共有運動を継承し発展させる」ために、理事会を中心に全国の共有者・仲間と共に闘っていきます。
 2030年成田空港「機能強化」と対決し、52年間の三里塚大地共有運動の闘いの歴史を継承・発展させていきましょう!


報告 2018.12.2「一般社団法人三里塚大地共有運動の会」設立報告集会
三里塚闘争は民衆の思想的原点である闘いだ

 12月2日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会設立報告集会が東京で開かれた。参加者は84人。
 集会は一般社団法人三里塚大地共有運動の会が主催。三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)、三里塚空港に反対する連絡会が共催した。
 集会の最初に、法人代表理事の山口幸夫さんが主催者あいさつ。
 「10月28日設立総会で代表理事に選ばれた。私は共有者ではないが、毎年三里塚には行っている。佐多稲子さんの共有地を連れ合いが引き継いでいる。
 三里塚闘争の意味が改めて問い直される時代。制度疲労が著しく進んでいる。民衆の思想的原点である闘いをもう一度考え直し深める必要がある。会の主体はあくまでも会員」
 加瀬勉さん、柳川秀夫さんが法人化の呼びかけを行った(別掲)。
 事務局からは法人設立と登記変更について説明。
 法人理事の大森武徳さん(三里塚物産)は、木の根ペンションがある木の根共有地での納涼祭の動画を上映し、若い世代がどのような形で三里塚に関心を持ち、空港が侵食する中で残っている貴重な場所をどのように維持し活動していくかについて発言。
 法人監事の島田清作さんは伊達判決を生かす会共同代表として、砂川闘争の歴史について発言。「三里塚一坪共有運動を理由に若い仲間が襲撃された時も、命を懸けて闘ってきた。勝利するまで命をかけて頑張りましょう」
 山崎宏さんは第3滑走路計画、東京五輪に向けて進められる夜間飛行制限緩和に対する周辺住民の抗議について報告。
 平野靖識さん(三里塚物産)は4月の東峰火災と支援への報告・感謝の発言。
 続いて、加藤宣子さん(辺野古実)、根本博さん(泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会)、塚本春雄さん(元静岡・三里塚闘争に連帯する会)、平田誠剛さん(元管制塔被告団)、大道寺毅さん(羽田空港を監視する会)、斎藤春光さん(福島原発告訴団)が連帯発言を行った。



【12.2加瀬写真】

加瀬勉さんの発言要旨
主体を作り上げていこう

 10月28日に法人設立総会があり、堀越昭平君から引き継いだ大地共有委員会代表を辞任したことを報告します。
 私個人は55年反対闘争を闘っている。東京第二空港計画は3000ヘクタール。三里塚は1050ヘクタール。我々の闘争は一定の成果を勝ち取った。計画を打ち砕くことはできなかったが、彼らの野望を半分くらいにとどめさせた。3000メートル滑走路は完全に阻止した。
 今度の空港拡大は『地元の皆さんの強い要望で』と言っている。親切丁寧な説明で地元の皆さんのご理解をいただきたいと言っている。空港会社は周辺地域で140回の説明会をやった。今までと全く違う。
 周辺自治体の役場には空港社員が出向。80人体制で空港拡張のために活動している。
 空港拡張用地は1000ヘクタール。立ち退き民家2000戸。工期は10年。3000メートルの第3滑走路を新設。B滑走路を3000メートルに延長。現在の年間30万回から10年後50万回にする。空港騒音、落下物、汚染の問題もある。かつての機動隊を前面に出した土地強奪とは違い、今度は笑顔で出てきている。
 一坪共有運動は空港阻止のための土地所有にとどまるものではない。三里塚闘争は我が運命を共にする問題であるという思想を確立し、多くの支援が三里塚にかけて戦った。
 新しい酒は新しい革袋に。金太郎飴の運動ではどうにもならない。自らを変革して主体を作り上げていく運動だ。
 沖縄の運動も、福島の運動も苦労している。法人化運動を続けながら、自分を変革していく。皆さんとともに前進していきたい。今日は出陣式。お祝いの日だ。


【12.2柳川写真】

柳川秀夫さんの発言要旨
思いは脈々と生きている

 一坪共有運動は社会党の指導で始まった。共有運動には当初土地を提供してくれた農民の思いが脈々と生きている。空港巨大化の動きはなかなか止まらないが。共有地は、ただ土地があるだけではなく、多くの人の思いがそこに集積している。
 今回法人設立となったが。法人そのもので安全かというと、そうではなく、この間裁判で共有地・団結小屋がとられてきている。
 しかし、相続問題が発生してきており、ただ持っていてくださいというくらい無責任なことはないので法人に土地を集める。公開シンポで事業認定は取り下げられ、個人への強制収用はない。代わりに裁判で土地が強制買収されている。今回の法人化に協力を要請したい。


【12.2山口写真】

三里塚大地共有運動の会へのカンパの呼びかけ
ともに北総台地の農を守り抜こう

 三里塚闘争に連帯して一坪共有化運動に参加したみなさま、そして、三里塚闘争に共感してくださったみなさま 
 みなさまが1983年の三里塚一坪共有化運動に賛同して個人的に登記した三里塚の共有化運動の土地が、相続や転居などで登記変更していない状態が続けば、「任意」の名の買収、裁判による「強制買収」、法律制定など様々な手段での共有地取上げのおそれが強くなります。2018年6月に制定された「所有者不明土地特措法」も、将来適用される可能性は否定できません。
 「一般社団法人三里塚大地共有運動の会」は、共有者のみなさまの土地をみなさまに代わって法人としてきちんと登記し、管理することを目的にして設立されました。登記変更に係る手続きは法人が代行し、諸費用は法人が負担しますが、この法人は収益事業をしない非営利の法人です。会員・賛助会員のみなさまからのカンパ、ご支援が頼みです。
 空港会社は東京オリンピック・パラリンピックの開催を名目に、第一滑走路の運用時間を現在の午後11時から午前零時まで1時間延長しようと目論んでいます。また、第三滑走路の建設が計画されています。すべて話し合いで解決していくという、公開シンポ・円卓会議での国・公団と反対同盟の1994年の合意が実質的に反故にされようとしています。
 工業化社会とグローバリズムを批判し、豊かな北総台地の農を守り発展させることは、以前にも増して一段と重要性を帯びています。
 三里塚大地共有運動の会では、一坪共有地の木の根ペンションで共有者が集い、一坪現地を見学する予定です。東峰の一坪共有地に長年暮らしていた樋ヶさん宅(ワンパック野菜、卵の係)の火災跡やラッキョウ工場なども含めて、3か所にある一坪共有地を訪ねたいと考えています。三里塚大地共有運動の会の活動にご参加いただければ幸いです。
 一坪共有者のみなさまが、一人残さず法人の会員になってくださるようお願いいたします。また、一坪共有者ではなくとも、一人でも多くの方々が賛助会員に登録してくださるようにお願いいたします。(2018・12・28)

         一般社団法人三里塚大地共有運動の会
                (代表理事 山口幸夫)

◆法人運営・登記変更カンパ  目標額 500万円

◇会費・カンパ送り先 郵便振替口座 00130-6-697201
口座名 一般社団法人三里塚大地共有運動の会
連絡先▼東京都渋谷区初台1-50-4-103一般社団法人三里塚大地共有運動の会
 TEL03-3372-9408 FAX03-3372-9402  
email:kyoyu@sanrizuka.net

【木の根ペンションの写真】


一坪共有地社団法人化全国運動参加への協力要請

加瀬 勉(三里塚大地共有委員会代表〈2〉)
 国家権力と航空資本の国際空港建設の暴政に抗すること50年。
 生死を賭けた半世紀にわたる闘争は過酷にして栄光に満ちた戦いの連続であった。国家権力と空港資本の国際空港建設計画の野望は面積にして3000へクタールであったが1050へクタールに縮小させる成果を我々は勝ち取ることができた。
 空港建設阻止闘争は様々な独創的な戦いの形態を作り出していった。その中で一坪土地共有化運動は三里塚空港建設に反対する農民と全国の支援する人々との運命共同体の団結形態を創り出し三里塚闘争の発展に大きく貢献してきた。
 国家権力と空港資本は一坪共有地は所有者の承諾がなくても金銭買収できるとの最高裁判例を盾に共有地の強奪を行ってきた,三里塚空港反対同盟はこの無謀な攻撃に抗して一坪共有地法人設立の方針を決断した。
 時恰も自民党総裁選が行われ、新たに安倍三次内閣が発足した,安倍はA級戦犯岸信介、三里塚に空港建設を決定した佐藤栄作の親族であり、安倍は日本政治の極右の流れを代表する最も危険な政治家である。一強独裁・平和憲法改悪を第一の政策課題に掲げる反動内閣である。三里塚においては新たに空港機能拡大の野望を打ち出し着工せんとしている。三里塚空港反対同盟は決意を新たに一坪共有地法人化全国運動の決断をここに下した。三里塚闘争と日本の平和民主主義発展のために一坪共有地社団法人化全国運動にご協力を切にお願いしたい。
               2018年10月28日


一坪共有地社団法人化に向けて
柳川秀夫(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人)
 一坪共有運動は1966年8月に始まりました。
 周知のように農民の意見は重んじられる事なく空港建設は決定され、国の力の行使のみによる空港作りが進められました。
 反対同盟はそのような国の対応に実力をもって阻止することを決定しました。一坪共有運動もその一環でした。
 運動を進めるに当たり、空港問題が解決したら、元の地主に返すという事が決め事でもありました。再共有化の現在も同様です,
 共有地は空港公団の用地の取得を困難にする事はもとより、幾度も大きな闘いの場となり、犠牲を出しながら国家権力の横暴を広く世の中に曝け出し闘いへの共感を得る役割も担ってきました。
 そのような積み重ねの下、二期工事強制収用を目前にし、強行開港への闘いの成果もあった後、国との盛大なやり取りが公の場で行われ、建設決定と強行の非を国が認め、強制収用はなくなりました。
 しかし、強制手投は放棄したのではなく、裁判所が強制収奪を行う新手を行使してきました。滑走路の増設や未買収の東峰部落等の計画も変える事なく続いており、共有地の役割は続いています。
 さらに今日に至っては空港拡張にも見られるように飽くなき発展の追求は深刻な人類の生存を脅かす状況に至っており、共有地の存在は本来の役目以上に広義なものになっています。
 反対同盟は共有地に責任を持つ義務があります,即ち空港問題を実質的に解決し、そして元の地主に土地を返すということです。
 53年になる年月は相続の発生等、共有地の分散を考慮いたさねばならないことが多くなります。その解決策として社団法人化を進めることになりました。
 ご協力をお願いいたします,
               2018年10月28日

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