1月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「2023反対同盟旗開き」を行い、43人が参加した。
仲間たちは、昨年12月24日、横堀農業研修センターの床を直し、新しい畳を敷いた。母屋は、整理整頓、清掃がされた会場となって旗開きを向かえることができた。
冒頭、柳川さんは、「労活評の大盛力さんが10月3日(67歳)亡くなった。大盛さんは、三里塚のために骨をおってくれた。みなさんとともに黙とうをしたい」と呼びかけ、参加者全体で黙とうを行った。旗開きの司会は山崎宏さん(労活評)で開催のあいさつを行った。
柳川秀夫さんの発言
柳川さんは、「今年で三里塚闘争は約57年目だ。空港会社は、昨年、センター周辺の竹藪を伐採した。途中で用地課の職員が来て、『ぜんぜん用地課はしらなかったので止めました』と謝りにきた。ただ伐採された状況は、不確定な情報だが今年の春あたりにはセンター撤去にむけて裁判提訴するらしい。いずれにしてもここを収奪するために動き出すだろう。3本目の滑走路は、そんなに工事が進んでいるわけではない。だからセンターを撤去する緊急性はないが、じゃまものを排除する性格は変わっていない」と報告し、裁判闘争も含めて警戒していくことを呼びかけた。
さらに「このように空港会社は、あいかわらず力があるものが、力のない者を押しのけようとするのがぜんぜん変わっていない。世界的にもウクライナが大変な状況だ。世界的に弱い者が苦労をし、大変な犠牲を強いられている。強い者が自由・便利を享受するために活動する結果、今のような地球、人間の存亡が危ぶまれる状況が作り出されている。百姓をやっているが温度がかなり上がっており、いつものような生育状況じゃない。人間がずーっと暮らしていけるか、大変な事態になっている。空港問題もそうだが、あくなき発展だけで物事を考えている。事態はどんどん悪化している。温暖化は止められないと思っている。食糧問題も含めて大変な試練となっていく。緑の大地を削って第3滑走路を作ろうとしている。まったく逆行した行為であり、必ずしっぺ返しがくるだろう。今年もよろしくお願いします」と発言した。
平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は、「三里塚歴史 考証室通信」(4号)の「特集/成田空港機能強化を考える 3」を販売した。
平野さんは空港会社による市東孝雄さん(天神峰地区/北原派)の土地取り上げ裁判などの経過に触れながら、「11月22日、千葉地裁は代替執行の決定を行った。東峰地区は、執行中止の申し入れを行ったが無視された。空港会社は、自主的な明け渡しをせよと言ってきたが、そうでなければいつでも農地取り上げができる状態になっている。北原派は、24時間態勢で待ち構えている」と報告した。 さらに「熱田派は、1991年から94年までシンポジウム・円卓会議を行った。国は、成田空港の決定からその後の建設過程について土地収用法に頼り、機動隊の力で進めてきたことを民主主義的じゃなかったとい謝りを入れ、かつ強制収用裁決も取り下げた。円卓会議では二期用地の解決にあたっては、いかなる状況のもとでも強制的な手段を使わないと表明した。だから裁判にかけることは約束違反だ。暴力的な市東さんの土地の取り上げは、空港会社に非がある」と批判した。
加瀬勉さんの「横堀決戦に向けて」の文書配布
加瀬勉さんは、別件で参加できなかったが、旗開きに向けて執筆した「横堀決戦に向けて」の文書が配布された。
各連帯アピール
昼食休憩に入り中断。再開後、連帯発言が行われた。
渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会、三里塚相談会)は、「1月29日に『2023関西三里塚闘争に連帯する会旗開き・大地共有運動報告会』を行う。関西でも労働組合関係の司法書士にお願いして一坪共有地登記移転手続きを取り組んでいる。登記法改正による登記義務化に対抗するために登記移転手続きを加速させていきたい」と発言した。
根本 博さん(泉州沖に空港を作らせない住民連絡会)は、「反空港の取り組みを継続しつつ、南西諸島の自衛隊配備に反対する大阪の会も取り組んでいる。12月には宮古島でのブルーインパルス飛行抗議行動に参加し、地元の人々とともに闘った。ともに南西諸島の軍事化に反対していこう」と訴えた。
続いてG7いらない!首都圏ネットワークの京極紀子さん、和多田粂夫さんと中川憲一さん(管制塔被告団)、芝崎眞吾さん(連帯社)が発言し、最後に団結ガンバローを行いスクラムを打ち固めた。
東峰現地行動
旗開き終了後、東峰地区の旧東峰共同出荷場跡地に向かい、三里塚空港に反対する連絡会が主催の東峰現地行動を取り組んだ。
連絡会は、「三里塚第3滑走路反対!成田空港の軍事使用を許さない!裁判所を使った農地強奪弾劾!沖縄の軍事基地化許すな!岸田軍拡政権打倒!反原発!」のスローガンを掲げ、用地内にある東峰地区の開拓道路に向かってデモに移った。 前段集会では、大森武徳さん(三里塚物産/続・木の根物語プロジェクト/一般社団法人三里塚大地共有運動の会理事)が発言(別掲)。
開拓道路デモの後、繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会事務局)は、「再共有化運動40年の今年、空港会社・芝山鉄道会社の持ち分17・98%を共有運動の会が越える18%以上を実現しよう。そのための登記変更カンパも取り組んでいこう」とアピールした。
最後にシュプレヒコールを行い、行動を終了した。(Y)
■大森武徳さん(三里塚物産/続・木の根物語プロジェクト/一般社団法人三里塚大地共有運動の会理事)
「2023年旗開きへのアピール」
続・木の根物語プロジェクトの大森です。昨年は皆さんの力添えをいただき、無事木の根プールの補修工事を完了し、2011年以来11年ぶりにプール開きを行いました。
また、初の試みということでプール開きにつづいて、DJを呼んでナイトプールという形で音楽を行い、管制塔の平田さん、茂住さんも駆けつけてくれて、盛況のうちに終えることができました。
いろんなイベントを打つ中で三里塚の問題に興味を持ったり、いろんな社会問題に興味を持つきっかけになってくれる若者が増えている。木の根の維持・補修に関わっていきたいという人が年々増えている。彼らは三里塚闘争そのものを知らないが、木の根に来ることで共有地がどのように管理されているか、なぜ残っているのかを知る。非常に大事な場所だと感じてくれたり、これをきっかけに身近な社会問題に取り組む活動を始めた若者もいる。
人の輪が20代30代40代で増えてきて、こういうことができますという仲間が増えてきました。かつての三里塚闘争のように、いろんな人の技術、力を借りながら、共有地の維持・補修をやっていけたらと思っています。
私自身が三里塚に参加した時は小学生で、深い部分は伝えきれていないところがある。今はいろんな書籍・動画があり、SNS・ユーチューブで知っていく文化ができている。
その時、動画・書籍では伝えきれない現地の状況を足を運んで見てもらう。リアルな体験が大事になってきていると感じている。
今年の木の根イベントについてはまだ未定だが。持ち込みイベントを2つ3つ受け入れて、現地メンバーで夏の納涼祭などをやっていこうと思っている。その中で三里塚の問題、過去の歴史を紹介するブースを三里塚大地共有運動の会で出せればと考えています。長いイベントの途中に資料をじっくり見るというのも、来た人にとっていい時間になるのではと思っています。多い時は20~40代が200~300人集まっているので、そこに三里塚の問題を紹介するブースがあることは効果として大きい。今年は実践していきたい。
今年も現地の維持活動に参加したいという人たちの輪が広がっていければいいかなと思っています。引き続きご支援のほどをお願いします。
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