第1部集会は、司会の山崎宏さん(労活評現闘/芝山町横堀地区)から開催あいさつから始まった。
次に柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人/芝山町)のメッセージが読み上げられた。
「今は六月下旬、梅雨の真っ最中である。三里塚空港は、新型コロナウィルスの流行のため旅客機の飛行が極端に減少し、4月12日からは平行滑走路が完全閉鎖されている。平行滑走路の飛行コース下は、静かである。
こうしたことで飛行機が飛ばなくなるとはまったく予想もできなかった。しかし、第3滑走路の建設計画は日々着々と進められている。横堀・丹波山の空港会社用地では工事が連日行われ、滑走路予定地・騒音地区住民の移転工作も進められている。ただひたすら利潤を追求することだけを求めて空港を拡大することが、はたして正しいことなのかが根本から問われている。今回の新型コロナウィルスの流行はそのことを突きつけているのではないか」。
続いて加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会〈Ⅱ〉/多古町)のメッセージ「石井紀子さん追悼する」が読み上げられた。
(要旨)「〈1〉三里塚闘争に生涯をかけてきた一人の同志をまた失った。紀子さんの遺志を引き継ぐことは『言はやすく行うは難し』である。悲しみを力に変えて断乎進んでゆこうではないか。
〈2〉小川明治副委員長が亡くなって天浪の墓地を掘り起こした。小川明治副委員長の棺は反対同盟が作った檜の特製のものであった。三里塚大山の火葬場の施設には入らなかった。市販の棺に明治副委員長の白骨死体を入れ替えて火葬した。空は騒音地獄、地上田畑を奪い、村を廃墟にし、自然を破壊し、コンクリートで埋め尽している。三里塚の天地に眠るところなどない。紀子さんの遺志を引き継ぐとゆうことは闘うわれわれの血と肉体の中に紀子さんが生きていることである。紀子さんと共に戦いつづけよう。……紀子さんをはじめ三里塚闘争に生涯をかけた同志が安らかに眠ることのできる三里塚の大地をつくりあげよう」。
平野靖識さん(らっきょう工場)は、「コロナ騒ぎの中で外国人の訪日ができないでいる。この状態が5年も続くと言われている。空港会社は、23万回の離発着を言っているが、とても第3滑走路などは必要ない。空港機能の拡大も考えなおすべきだ。東峰地区にとって、4月12日以降、平行滑走路が閉鎖され、静かな日常を楽しむことになっている。生協を通した販売も増えた。しかし、コロナ第二波、三波がくることで仕事が続くだろうかという不安も抱えているが、奮闘している」と報告。
さらに「紀子さんとは、いろんな局面で議論してきた。原則の人だった。シンポジウム、円卓会議に対して反対でした。東峰ワンパックと分かれて紀子パックを立ち上げたことなど紀子さんなりに原則を貫き通した。新年の反対同盟旗開きにおける紀子さんの豚汁は、野菜が一杯で大変おいしかった。食べることの重要性を常に訴えてきた人でもあった」と述べた。
繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会事務局長)は、「東峰現地行動は、1999年時の暫定滑走路建設計画があったころから取り組んできた。集会には、毎回、石井紀子さんからのアピール、メッセージがあった。共に東峰を守るために闘いぬいてきたが、紀子さんの声が聞けないのは大変残念だ」と発言。
また、「1983年から共有地の再共有化を取り組んだ。すでに30年以上経過しているが、共有地を守りぬき、政府の所有者不明土地対策法による土地取得の策動をはね返すために法人を結成した。共有地を法人に移転登記すれば、法人が管理していくことができる。すでに登記変更に着手し、昨年が20人、現在、30人が終了し、さらに増やしていきたい。ぜひ協力してください」と呼びかけた。
第二部は、「石井紀子さん追悼」と運動報告。司会は辻和夫さん(田んぼくらぶ)。
アピールは、高見圭司さん(スペース21)、渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会)、小山広明さん(元泉南市議)、根本博さん(泉州沖に空港を作らせない住民連絡会)、山田謙さん(東大阪三里塚闘争に連帯する会)、鈴村多賀志さん(田んぼくらぶ)、野島みかさん、片岡万里子さん(労活評)、山崎宏さん(労活評)、国富建治さん(新時代社)から行われ、紀子さんの思い出、運動報告などが語られた。
集会後、デモに移り、開拓道路に到着。仲間たちは石井紀子さん追悼の黙祷を行い、「第3滑走路反対!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを空港に響かせた。
デモ終了後、第3滑走路計画に対する現地調査に向かう。建設予定地のど真ん中の加茂地区では空港周辺地図を見ながら山崎さんの解説を受け、あらためて大地と自然破壊、空港公害に満ちた第3滑走路建設計画の実態を暴き出した。
加茂地区から飛行騒音直下コースを確認しながら多古町に到着。加瀬さん宅に向かう。加瀬さんは、サツマ芋とジャガイモを用意し、迎えてくれた。
加瀬さんは言う。「コロナによって空港が止まり、空港会社が破産していく。廃港をめざすわれわれにとっては喜ばしいことだ。グローバルな世界が壊れ、矛盾が深まっていく。新しい闘いは、命を守る運動、生活を守る運動などによって根底から問い直さなければならない。さらに旧日本軍731部隊の石井四郎中将は千代田出身だ。天皇制との対決も負けるわけにはいかない。天皇制と三里塚の関わりを切開し、人民の闘いを明らかにしていく」と決意を述べた。
参加者は、加瀬さんの問題提起を受け止め、三里塚闘争と新たな闘いの方向性への踏み込みに向けて誓い合った。(Y)
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