2024年5月30日木曜日

巨大開発(成田空港拡張)の横暴にNO!を

横堀農業研修センター裁判を支える会  

東京都渋谷区初台 1-50-4-103 tel:03-3372-9408

 

 昨年(2023年)8月2日、成田国際空港株式会社は、空港の東に隣接していた横堀農業研修センターの地権者に対して、土地の売り渡しと建屋の撤去を要求する裁判を、千葉地裁に起こしました。

 成田空港は現在、空港の機能強化と称して、第3滑走路の建設を進めています。
 現B滑走路の南側に3500mの滑走路を建設するこの工事は、空港の敷地を今の約2倍に広げ、20m以上の高低差のある谷を埋め山を削り、田畑を潰し、1000戸を越える住民に移転を迫る巨大な環境破壊工事です。
 飛行機の発着時間を延長し、年間発着回数を現在の倍になる50万回を予定するこの拡張計画が、騒音公害を激甚化・広範化させることは自明です。既に飛行時間延長の差し止め訴訟が千葉地裁に提訴されており、また、現状の騒音においてさえもその被害に耐えきれなくなった住民約150人による損害賠償の集団訴訟が提訴されています。
 また、広大な地面をコンクリートで覆うことによる地下水への影響や、行き場を失う雨水による浸水被害、森林伐採による野生動物への影響などの懸念があります。
 空港会社は、右肩上がりの需要予測を示して、空港拡大の必要性や雇用の増加を喧伝しています。しかし、この予測通りの需要増加が本当にあるのかは、はなはだ疑問です。巨大開発が計画される度に、事業者に都合の良い設定やデータによる需要予測に振り回されてきた苦い歴史を、私たちは忘れてはいけません。
 空港拡大の見返りとして周辺自治体に配られる周辺対策交付金。これも危険な罠です。交付金に頼る地域運営に未来はありません。私たちは交付金蟻地獄から脱却できた事例を、未だに聞いたことがありません。

 そもそも地球沸騰化や地球資源の枯渇などの危機が言われている現在、かつての高度経済成長やバブル期を追い求めるような経済の「発展」のあり方は、一度立ち止まって検証する時期に来ています。

 今回の土地売り渡しに関して、空港会社が地権者との丁寧な話し合いを模索したことは一度もなく、自らの成長の前では周辺の小さな地権などは蹴散らしてもかまわない、という態度に終始しています。
 横堀農業研修センターは、三里塚闘争連帯労農合宿所として1977年に開所して以来、45年以上にわたって、巨大開発や強者のゴリ押しによる生活破壊や人権侵害を問い続ける場として存在してきました。今回の空港会社の横暴には抗わざるを得ません。

 本日13時30分から千葉地裁で、この横堀農業研修センター裁判の口頭弁論が開かれます。私たちは、ひとりひとりの生活や人権が重視される社会に向けて、この裁判に臨んでいます。是非、皆様のご注目ご支援をお願いします。

 ○横堀農業研修センター裁判 法廷予定
  第3回 口頭弁論 2024年7月1日(月) 14時00分~ 千葉地裁 601号法廷

第1回口頭弁論(2024/01/29)陳述書
三里塚芝山連合空港反対同盟代表世話人
                  柳川秀夫

 今般、成田空港会社は私たち三里塚芝山連合空港反対同盟(以下、反対同盟)および共有者4名に「申入書」(4月15日付)を送りつけてきました。
 それには「本書面到着後1か月以内に本件各建物等を収去して、下記土地を明け渡していただけない場合は、当社といたしましては、法的措置もやむを得ないものと考えております。」とありました。第3滑走路に必要な土地を手に入れるため、有無を言わせずに土地を取り上げるという恫喝そのものです。 訴状では、原告は「政府全額出資(資本金1197億3680万円)の株式会社であり,被告栁川外3名に対する上記賠償額の全額を支払う能力を十分有している。」と述べています。

 訴状の理由として、主要な国際空港として成長し、これからも増大が見込まれる。
 そのため、空港拡大を図り機能強化(第3滑走路)の必要があるとしています。
 はたして機能強化のために明け渡せといわれる場所が決定的に阻んでおり、何としても収去が必要なのか、理由として不鮮明なところです。
 又、土地明け渡しの補償金額の提示により、収去という最終の道を示した一方的通告であります。
 空港問題の歴史を遡るまでもなく、又、ウクライナ、パレスチナ等での事態でも明らかなように強行手段は必ず反撥があり、不幸なことが伴うものです。
 時の流れとして文明はそのような蛮行を超えなければならないと思います。
 三里塚では、1966年の閣議決定後、「国策」として地元の農民・住民の意志を国家権力・警察機動隊の暴力で抑え込み、空港建設を推し進められてきました。位置の決定から建設、開港まで全ての過程でこのようなことが行われてきました。
 一坪共有運動は強権的な空港建設に反対する取り組みとして始まり、旧労農合宿所は三里塚に心を寄せる人々が集う場として1977年から長年活用されてきました。
 政府・旧空港公団は1993年の公開シンポジウムで、それまでのやり方が誤りであったと謝罪し、「今後強権的な手段は用いない。話し合いによる解決をはかる」と約束しました。約束に従って、土地強制収用の根拠となる事業認定を旧運輸省は取り下げました。
ならば、今回のような土地明けわたし、建物撤去の裁判は起こされてならないはずです。
 私たち反対同盟は、1991年から1993年の政府及び新東京国際空港公団(現・成田国際空港株式会社)とのシンポジウムで、地球的課題として持続可能なあり方を提案して、空港という巨大開発が問題ではないかと問題提起をしてきました。
 巨大開発の問題は、地球の人類の生存、地球全体の生存に関わるところまで事態は深刻化しています。私たちの考え方としては、腹八分をものさしとした社会をきちんと考えなければならないということです。温暖化が問題になっているときに、土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのかと言わざるを得ません。横堀研修センターの周辺がまがりなりも樹木が繁り自然の状態を維持できていたのも、私たちが横堀農業研修センターと共有地が守ってきたからに他なりません。1966年より57年間守られてきた土地が蛮行の対象になろうとしています。
 畑で農作業をしていると変化がよく分かります。昨年は雨が降らない日々が何カ月も続き、雨となるととんでもない大雨が降りました。今や世界中、人類の生存にかかわる事態になっており、これをどうするのかが地球の課題になっています。
 更に緑の大地をひきはがし、コンクリートで固めようとすることはあらゆる意味で大罪です。
それなのに、空港をもっと巨大化させ、谷津や田んぼを埋め、コンクリートで固めようとしている。これは今の時代の要請に合致することではありません。
 反対同盟は空港会社のこのようなやり方を断じて認めることはできません。
 私たちはこのような観点から、横堀農業研修センターの土地の取り上げ、建物の撤去には反対し、空港会社の訴えの却下を求めるものです。

2024年1月29日


2024年5月25日土曜日

7.14 成田第3滑走路計画 三里塚空港フィールドワーク 見て、聞いて、学んで

集合:7月14日(日)午前9時:京成成田駅東口
帰路 18時00分 JR・京成空港第2ビル駅 解散

横堀  横堀農業研修センター(23年空港会社が取上裁判提訴)、横堀鉄塔、案山子亭

木の根  木の根ペンション・プール
一鍬田  第3滑走路計画北端
菱田   第3滑走路の中心
加茂   第3滑走路計画南端

・マイクロバス2台 先着40名/応募締切 7月7日=下記まで申込下さい。
・費用 実費頭割り(レンタカー代・ガソリン代・資料代等)。1人当たり 3000円程度

注意事項
 昼食は持参ください(現地では買えません)
 雨天決行・雨具を忘れずに。
 荒天中止の場合は、前日7月13日朝までに決定します。

主催 横堀農業研修センター裁判を支える会、一般社団法人三里塚大地共有運動の会
申込先 東京都渋谷区初台1‐50‐4‐103一般社団法人三里塚大地共有運動の会
℡03‐3372-9408 Fax03‐3372-9402
メールアドレス kyoyu@sanrizuka.net